「ピアノの詩人」と呼ばれるポーランド生まれのクラシック音楽家フレデリック・ショパンが育ったワルシャワで、ショパンの作品のみを演奏するコンサート“Time for Chopin”を観たときのレポートです。
ショパンコンサート”Time for Chopin”とは
このショパンコンサートが行われる場所はワルシャワ旧市街のPlac Zamkowy(プラツ・ザムコヴィ、城の広場)付近です。
毎日18:00開始で演奏者はショパン音楽大学の先生(日替わり)です。インターネットで予約可能で、現地払いです。私が行ったときは60ズウォティ、当時のレートで1700円くらいでした。
予約ができる公式サイトは記事の最後にご紹介します。
プログラム
2017年2月17日のプログラムです。写真が横になってしまいました。
コンサート
ショパン博物館を見学した後そのまま徒歩で会場に向かいましたが、歩くには少し遠かったです。
受付は入口からすぐです。廊下には絵が飾られていて、そこを抜けると小さな会場があります。あまり高くないステージにピアノがあり、客席にはパイプ椅子が20-30脚ほど並んでいるだけです。
私はここで偶然同日に来ていた日本人の方に話しかけられ、一緒に鑑賞しました。受付の方のアナウンスから始まり、続いて演奏者が登場しますが、淡々と弾くのみで一言もしゃべりません。演奏はかなり良かったです。
練習曲op.10-12、つまり「革命のエチュード」から始まり、2曲目からはマズルカが5曲続きました。これらのマズルカは曲間の礼なしでまとめて演奏されました。8曲目の舟歌が終わると演奏者は一旦退場し休憩。
休憩に入ると別室に案内され、ソフトドリンクかアルコール(選べます)が出されます。立ち飲みですがついでに客同士で会話することができます。この時は皆さん一緒に来た人同士で話している印象でした。私は先ほどの日本人の方とお話していました。
第二部は2曲だけでしたがラストが幻想ポロネーズ(標準で12-13分くらいの演奏時間になる大曲)なので、こちらの方が気合が入りました。
プログラム全体を振り返ると、個人的には6曲目のマズルカヘ短調、8曲目の舟歌、ラストの幻想ポロネーズがハイライトでした。
マズルカヘ短調はショパンの生涯最後の作品で、聴いていると不安になるような曲ですが絶妙な美しさを持っています。それをコンサートで感じ取ることができました。
舟歌は元々お気に入りで、ショパンには珍しく安心して聴ける曲です。
幻想ポロネーズは作品自体も素晴らしいのですがあまりにも繊細であるため、表現力をしっかり備えたピアニストの生演奏を間近で聴くとCDとはリアリティが桁違いでした。
ちなみに第二部の1曲目のポロネーズop.40-2も、私自身が昔発表会で演奏した曲ということもあり楽しめました。
最後に
この年の1月には2015年のショパンコンクールで1位に輝いた韓国のチョ・ソンジンが来日し、隣町で演奏していました。私は平日だったので行けず悔しい思いをしましたが、この日は本場でショパンを聴けたのでその悔しさも吹っ飛ぶほど満足しました。