訪問場所: Kaunas (カウナス)
訪問時期: 2017/9/9-12
リトアニアの古い街カウナスを訪れた時の記録です。この街は首都ヴィリニュスに次ぎリトアニア第二の都市で、ヴィリニュスが占領されていた戦間期には首都が置かれていた場所です。
はじめに
私がカウナスに来たのは1年間のポーランド留学の初めです。ヴィリニュスには滞在したことがあったのですが、今回はカウナスを見ることにしました。
ポーランドの首都ワルシャワからエストニアの長距離バス会社LuxExpressで7時間。価格も車内環境も満足のいくレベルです。私は今までこのバスでポーランドとリトアニアを4往復しましたが(ヴィリニュスまでは8時間)、毎回暇になること以外に不満はありません。
9月9日
カウナス・バスステーション(Kauno Autobusų Stotis)にバスが停車しました。午後3時台です。
初めてのカウナス。あまり都会という感じはしません。
私は郊外のホステルに宿泊していたので少し時間がかかりましたが、チェックインして荷物を置いてから出かけました。
ここはAkropolisというショッピングセンターです。恐らくカウナス最大です。まずはインターネットを手に入れなければならなかったので、半年前にヴィリニュスに滞在した時と同じ方法で接続しました。
ただ私はこういう作業が苦手なので、ここの携帯会社サロンの店員さんが手伝ってくれました。
広々としています。
リトアニアのショッピングモールは階数が少なく面積が広いタイプのものが多い気がします。
ここの本屋さんに行って、カウナスのお土産を探してきました。
吹き抜けもあります。ここにいると非常に快適ですが、観光しなければいけません。
Akropolisから出てきました。このあと、ホステルに帰る前に少し散歩しました。
落ち着いた色の建物が多いですね。
これはリトアニアの水です。値段はまちまちですが、安いものなら500mlを0.3ユーロくらいから買えます。
これはホステルの中で撮った写真です。部屋の入り口のところに本が置かれています。しかし、私のリトアニア語は本を読めるレベルではないのでパラパラとめくって終わりにしました。
Akropolisの本屋さんで買ったものです。上の二つは友達へのお土産用、そして下のマグネットは自分用です。
9月10日
ホステルの向かいにある十字架です。なぜここに立っているのかはわかりませんが、市街地へ行くバスを待っていると必ず目に入ります。
これもそのバス停のあたりです。
この日は日曜日でしたが、旧市街に来てみました。休日ということでがらんとしていて、お店もほとんど閉まっていました。
まだ10時台なので、朝の空気が残っています。
これはカウナス大聖堂です。
これは旧市庁舎です。白くて高い塔がついていますが、このデザインは好きだなと思いました。
これはイエズス教会です。ピンク色の教会はヴィリニュスにもありました。
旧市庁舎の入り口です。
これはペルクーナスの家です。ペルクーナスというのはリトアニアの伝説に出てくる雷神の名前です。私はリトアニアの伝説や古い信仰に興味があるので、ペルクーナスはよく聞く名前です。
これはカウナス大聖堂の一部ですね。
カウナスを流れる川はネムナス川(Nemunas)と、ヴィリニュスにも流れているネリス川(Neris)です。こちらはネムナス川で、カウナスにおいてはこちらの川がメインです。
ヴィリニュスにもこのように川の土手に文字が書かれていました。KARTU KAUNĄと書かれていますが、それでは意味が通じないのでハートの部分を補ってKARTU (MYLIM) KAUNĄ(つまりWe love Kaunas together)でしょうか。
水面のすぐ近くまで行くことができます。まだ9月なので寒くもありませんでした。
ネムナス川クルーズがあるようです。都合が合わなかったのでやめました。なお、これはリトアニア独特だと思われますが、曜日がローマ数字のI – VIIで表されます。お店などの営業時間もこのように書かれています。
日本語は月火水木金土日ですし、英語やポーランド語では曜日名の略語が使われていてこういう方式ではないので新鮮です。リトアニア語では曜日を「1番目の日、2番目の日、3番目の日…」という意味の単語で表すので、頭の何文字かをとるよりローマ数字で書いた方がもしかしたら合理的なのかもしれません。
旧市街を抜けてサンタカ公園にやってきました。私の持っているガイドブックではサンタコス公園という名前になっていましたが、サンタコス(santakos)は「川の合流地点」を意味するサンタカ(santaka)の所有格形であり、日本語にするときに所有格形のまま使ってしまってはおかしくなります。
この日は非常に良い天気だったので、公園に来て良かったと思いました。
川が見えます。
素晴らしい風景です。この記事を書いているのは灰色の冬なので、緑が恋しくなります。
「神様方そして女神様方のために、毎週木曜日の午後6時に小さな炎を灯します」と書いてあります。リトアニアの古い信仰の名残でしょうか。
見えているのはカウナス城です。現存するのは城の一部のみですが、それでもカウナスの観光名所になっています。
リトアニアの紋章です。お土産などによく印刷されているので、リトアニアに行ったことのある方には見覚えがあるはずです。
あまり高さはありませんが、城に登ることができます。この日の天気のおかげで素晴らしい写真になりました。
聖ゲオルギ教会が見えます。
様々な角度から撮りましたが、最後の写真はなかなか良いと思います。
ここは屋外レストランです。
ちょうどお腹が空いていたこともあり、少し贅沢してみることにしました。
贅沢といっても、1000円くらいで食べられたと思います。おいしかったです。なお、外では大量の蜂が皿の周りを飛び回っていて、これでは食べれないと思ったので建物の中に入れてもらいそこで食べました。それでも少しの間外に座っていたので楽しめました。
この公園は本当に広々としていて、カウナスに住んでいたら週末に来たくなるだろうなと思いました。
ポーランド人教皇のヨハネ=パウロ2世ですね。
カウナスにはヴィリニュス大学のキャンパスがあるようです。
このあたりを歩いていると、小学生の男の子たちに声をかけられました。5人くらいいました。その時は少し話して別れたのですが、そのあと大聖堂でミサを見学しているとなんとその子たちがミサに参加していて、ミサの後に遊び相手にされました。
私は片言ながらも当時リトアニア語が話せたので、この子供たちに連れ回されることになりました。一緒に走り回ったり、バスでスーパーまで行ってお菓子を買ってあげたり、一緒に散歩したり、自転車スポーツの練習場で話したり練習風景を眺めたり、彼らの友達が頼んできたピザを分けてもらったりしました。
結局5時間くらい遊んでいましたが、いつまで経っても離れる気配がないのでちょうど近くのバス停に立っていた英語が話せそうなリトアニア人に「そろそろお別れしたい」というのを丁寧にリトアニア語で説明してもらうよう頼み、彼らと別れました。その後手助けしてくれたそのリトアニア人にお礼を言い、バスが来るまでお話してから別れました。
少し大変な面もありましたが、私はこれを良い思い出として振り返っています。
これが自転車スポーツの練習場です。
子どもたちと遊んでいる間に5時間も経ってしまい、日暮れも近づいてきました。しかし私は観光を続け、旧市街の隣にある新市街にやってきました。
これは聖ミカエル教会といいます。他の教会とは様式が違いますね。
ここは聖ミカエル教会がある独立広場です。がらんとしていました。
この後、ロープウェイを利用してカウナスの新市街北部にある丘に登りました。
これは丘の上にあるキリスト復活教会です。ちょうどミサが終わったところで、中を見学することができました。しかし注目すべきはやはりこの高い塔です。高さは70mあるようです。
デザインも独特ですね。
晩ご飯を食べたのはAkropolisの中にあるレストランだったはずです。注文したのは肉の串刺しで、非常においしかったです。
これは一緒に頼んだ飲み物ですが、何だかよくわかりませんでした。
これらは旧市街で買ったおみやげです。日曜日ですが、開いている店もありました。上は琥珀のハリネズミでプレゼント用、下は琥珀のブレスレットです。バルト海では琥珀が採れるので、琥珀はリトアニア土産のメインの品の一つです。
琥珀のブレスレットは持っていたのですが、こちらは綺麗な上に確か3ユーロだったので一応買いました。今では琥珀のネックレスとセットでよく身につけています。
これはAkropolisの本屋さんで買った子供向けのリトアニアの伝説集です。童話集と言って良いかもしれません。全てリトアニア独自の話で、実際にある場所とリトアニアの古い多神教信仰に登場する神様が一緒に出てくるので非常に興味深いです。
リトアニアの書店に行くと、このようなリトアニア童話集は何十種類もあります。しかし私は“Jūratė ir Kastytis”という伝説をずっと探していたので、唯一それが入っているこの本を買いました。
“Jūratė ir Kastytis”は、「海の女神Jūratėがバルト海の底にある琥珀でできた宮殿に暮らしていたものの、海の秩序を乱す若い漁師Kastytisに対抗しているうちに彼と恋に落ち、それを知って激怒した雷神Perkūnas(ペルクーナス)は琥珀の宮殿を破壊した。それが現在バルト海からたくさんの琥珀の欠片が見つかる理由である」という伝説です。
イラストが綺麗なので、この童話集は気に入っています。リトアニア語が読めず内容があまりわからないのが残念です。
そういえば、最近ポーランドの古書店に行った時にリトアニア文学史という本を買いました。そこの店主さんは博識で、話す内容を聞いただけで只者ではない頭の良さをしているというのがわかります。それでその本を購入した時、その店主さんに「リトアニアといえば童話が素敵ですよね」と言われました。
今まで考えたことはありませんでしたが、リトアニアの童話というジャンルは世界的に見てもレベルが高いのかもしれません。
9月11日
この日は早朝にラトビアの首都リーガ行きのバスに乗る予定でしたが、早朝にチェックインしても良いと言ったホステルの管理人が朝起きず、チェックアウトできなかったためバスにも乗れませんでした。
この時あまりお金がなく、バスを予約し直してリーガに行くのは嫌だったのでカウナスにもう一泊してからポーランドに戻ることにしました。
これは歩道に刻まれたメッセージです。なぜなのかはわかりません。
この日は新市街を中心に歩きました。
素敵な噴水です。
これも多神教的な何かかと思いましたが、十字架がついているので違いますね。
これはヴィタウタス大公戦争博物館です。博物館の前には大きな広場がありました。
このような像が十個以上並んでいました。
これがヴィタウタス大公像です。
これはカウナスの姉妹都市一覧。ポーランドのヴロツワフもありました。
この後は本屋さん巡りをして、リトアニア語教材を探しました。日本語でもポーランド語でもリトアニア語の教材は少ないので、リトアニアにいるうちに何か買っておこうと思ったのです。
これはリトアニアの学校の生徒用に重点をまとめたノートです。基本は文法的な情報なので、外国人でも活用することができます。どれも安かったです。1冊200円くらいでしょうか。分野ごとに分かれています。
これもリトアニアの学校の生徒用のノートです。
9月12日
ワルシャワ行きのバスに乗ってポーランドに戻りました。
お土産にリトアニア語の新聞を買ってみました。何が書いてあるのかわかりませんが、いずれ解読しようと思います。
リトアニアはソ連の支配下にあったため、リトアニアでは上の世代はほとんどロシア語を話せますしロシア人も住んでいます。本屋さんに行くとロシア語書籍コーナーがありますし、ロシア語新聞も売っています。
そこで、ロシア語の新聞も買ってみました。リトアニア語よりもロシア語の方が得意なので、こちらは読めました。