ポーランド各都市訪問記: Zabrze(ザブジェ) シロンスクの町・カトヴィツェ発の小旅行

今回はシロンスク地方を象徴するような街Zabrzeの訪問記です。

訪問場所: Zabrze (ザブジェ)
訪問時期: 2017/12/1

Zabrzeについて

位置: カトヴィツェから西へ約15km
県: シロンスク県
人口: 約18万人
アクセス: カトヴィツェから電車で約20分、バスで約40分

Zabrzeはカトヴィツェを中心とする大都市圏に含まれる街で、この大都市圏の中では市として認定されたのが最も遅いそうです。

この街で有名なのは炭鉱で、炭鉱博物館鉱山業博物館鉱山トンネル博物館(全て勝手に訳しました)という3つの炭鉱に関する博物館が1つのグループを形成しています。この街で観光するならこのあたりでしょう。

シロンスク地方ではすでに雪が積もり始め、とても寒い上に道が大変歩きにくくなっていたのですが、少しの間小旅行をしていなかったので思い切ってみました。

今回Zabrzeに出かけた理由として、

・忙しすぎて外で勉強をしているか家で作業をしているかのどちらかという2週間を終えて久しぶりに予定がない日だったので気分的に解放されたかった
・前日まじめな用事でZabrzeより1駅向こうのGliwice(グリヴィツェ)に出かけた際にZabrzeを通ったため興味が湧いた
・そもそもZabrzeという名称自体がなんとなく気になる

などが挙げられます。

なおこれまでのカトヴィツェ発の小旅行ではブログのことを全く意識せずに好きなように撮った写真を使っていたのですが、今回は自分が楽しめてその上で記事にもなるように心がけて行動してみました。

出発

朝の学生寮団地の景色。真っ白です。実は前夜ほぼ眠れず体調があまり良くなかったのですが、土日は予定が入っていて今日しかないだろうと思ったので決行しました。出発は朝10時前。

いつものように学生寮からバスでKatowice駅へ。Katowice駅をほとんど利用しない学生もいるようですが私にとってはおなじみの駅です。

Katowice駅のホーム。今日は駅の電光掲示板が壊れているのでアナウンスに注意してくださいという案内がありました。実際にZabrzeに向かう電車に15分の遅延が発生というアナウンスが流れていました。

また、電車が来るタイミングでは騒音でアナウンスが聞こえなくなるのでスピーカーの真下に立つことをおすすめします。

乗車時間は20分と短く、Chorzów, Ruda Śląskaの2都市を経由してあっという間にZabrzeに着きます。値段は普通運賃で6zł(当時のレートで約200円)でした。

Zabrze駅構内と建物から見えるもの。Zabrzeがどんな街なのかほとんど想像もつかないまま来てしまいました。まさしく探検です。

駅南側

勘を頼りに少し歩くとすぐに街の中央広場(Rynek)らしき場所に着きました。全く想定していなかったのですが、クリスマスマーケットが開かれていました。これならこの寒い時期にわざわざ来た甲斐があります。

とても小規模なクリスマスマーケットですが、会場の広さの割には人が集まっていました。私はここでZabrzeのマグネットを見つけたので買っておきました。

Gliwiceのマグネットも売られていましたが、Zabrzeでそれを買ったら反則のような気がするのでやめておきました。私の好きな燻製チーズ(Oscypek)も安価で売られていたので買って帰りました。

Rynekを後にしさらに進んでいきます。

ここはGaleria Zabrzeというショッピングモール。

建物が立派だなと思ったのですが、テナントの数はかなり少なかったです。どちらにせよ買い物は普段からカトヴィツェで済ませられるので、内装の確認だけをして外に出ました。

Zabrze2000と書かれたマンホール。なぜ2000なのかはわかりません。

下調べをしてこなかったのですが、実際に歩いてみると意外と広そうです。道に迷っても良くないので、先に何もなさそうな郊外風道路は無視しました。

こんな街にも合気道の道場があるようです。

ここはDom Muzyki i Tańca。Zabrzeでコンサートが行われるとすればここです。私の好きなイギリスのロックバンドPendragonが”Edge of the World”という楽曲の歌詞でZabrzeについて言及していたので恐らくここでライブを行ったのでしょう。

2018年2月にはイギリスのアーティストSteven Wilsonがここでライブを行いました。カトヴィツェから思ったよりも簡単に行けそうです。

なおこの建物がZabrzeにあるということまでは事前に調べていたのですが、位置は確認していなかったので現地で標識を頼りに探し当てました。

この建物が何なのか気になります。

バスステーションに着きました。クラクフに行けるバスも来ているようです。街を歩いているときにグリヴィツェとクラクフを結ぶ都市間バスも見かけました。ちなみにこのバスステーションの風景はBytomのバスステーションを想起させます。

さらに歩いていきます。

市立図書館。

花屋さんのようなものに誘われて横道にそれると少し開けた場所を見つけました。

市役所です。

一面雪で何もないように見えますが、実は屋根です。

屋根の正体はこの市場。

小さなお店がたくさん並んでいます。ここは市民のための場所という雰囲気があったので控えめに写真を撮らせていただきました。この建物の向こうにもさらにお店が並んでいます。

市場の向こうにも広い道路が走っており、ここでもう一つのショッピングモールを見かけました。さっきの道で花が気にならなかったら気付かずに帰っていたかもしれません。

恐らくこれが市庁舎(Ratusz)。先ほどの市場に市庁舎下の市場という名前がついていたのでそこからの推測です。なおここを通った時にちょうど区切りの時刻を告げる鐘が鳴って驚きました。

素敵な建物がこちらにもあります。

これが第二のショッピングモールPlatan

中はとても綺麗です。ついでにここで昼食をとりました。

この建築がZabrzeのシンボル的な存在となっているようです。

再び駅の方向へ。そろそろ帰ろうかというところですが、まだこの街に来てから1時間半しか経っていなかったので炭鉱を探しに行くことに。標識によると先ほどまでいたのは駅の南側で、線路を越えた反対側に炭鉱があるとのこと。

駅北側

駅の南側にも街が広がっていることにやっと気付きました。ということはZabrzeは歩いて回るにはかなり大きい街なのでしょう。気付かずに帰らなくて本当に良かったです。

炭鉱や鉄道に関わるオブジェでしょうか?

この人はWincenty Pstrowski(ヴィンツェンティ・プストロフスキ)。この人は鉱山技師だったようです。この人の像がこんなに立派に建っているあたり、やはりZabrzeは炭鉱抜きには語れない街なのでしょう。

これが鉱山業博物館。残念ながら改装による閉館中でした。

3 Maja通りをひたすら進んでいくと炭鉱博物館があるということなので直進を続けましたが、この通りは本当に長いです。

MOSiR(Miejski Ośrodek Sportu i Rekreacji)というスポーツ会館。Zabrzeの他の建築とは少し違う雰囲気です。

この景色が見えたらもう炭鉱博物館のすぐそばです。

青という色使いに驚かされました。見学を試みましたが見学ツアー予定の関係で2時間弱待たないと入れませんと言われ、Zabrzeでさらに2時間つぶすのは難しそうだなと思ったのでまた次の機会に予約して来ますと言って帰ってきました。

結局今回は博物館を一つも観れていません。なお鉱山業博物館の入館料は6złなのに対してこちらの見学料は39złに設定されていました。トラックに泥水をはねかけられたり上から雪が落ちてきたりして苦労しながらも3 Maja通りを引き返します。

おわりに

駅に戻るとちょうどカトヴィツェ行きの電車が来る直前でした。電車でZabrze駅からKatowice駅へ、バスでKatowice駅から学生寮へ。寮に帰り着いたのは15時過ぎです。5時間の外出でここまで充実した休日を過ごせるのはこの大都市圏の魅力だなと思いました。

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