ポーランド各都市訪問記: Chojnów(ホイヌフ) (1/2)

訪問場所: Chojnów (ホイヌフ)
訪問時期: 2018/9/8-10

ポーランド人の彼女の実家に滞在した時の記録です。

Chojnówについて

Chojnówはヴロツワフを県都とするWojewództwo dolnośląskie(ドルヌィ・シロンスク県)の真ん中あたりに位置する町です。人口は約13500人(2016年)と少なく、町の面積もかなり小さいです。

私がこの町に行ったのは彼女がここの出身だからです。留学を終え帰国直前でしたが実家に滞在しました。

私はヴロツワフからホイヌフへ鉄道で行きました。ドルヌィ・シロンスク鉄道(Koleje dolnośląskie)で、所要時間は1時間10分ほどですが運賃が片道18.60zł(560円くらい)と高めでした。

これは電車内のトイレの扉の写真ですが、青い案内シールのポーランド語の正書法に間違いがあったので写真を撮りました。

ここはLegnica(レグニツァ)駅。前から行ってみたいと思っていた街です。結局ホイヌフ滞在の3日目にレグニツァに行くことができました。なお、レグニツァとホイヌフの間は電車で15分くらいです。

到着

ホイヌフ駅に降り立ちました。彼女はこの時実家にいたのでここまで迎えに来てくれました。午前11時くらいのことです。

駅のホームからの景色。

散策

中央広場に向かって歩き出します。晴天で気持ち良い散歩になりました。

古くて風格のある建物です。

これが鉄道駅。現在改装中で、中はほとんど閉鎖されていました。入れる部分も工事中でごちゃごちゃしています。もうすぐ改装が終わり、新しくなって全館開放されるようです。

全ての建物がしっかり手入れされているわけではありませんが、美しい街並みです。

道のあちこちに木が植えられているのも良いですね。天気が良かったので写真が綺麗に撮れています。

歩道はどこも歩きやすかったです。

全体的に古い建物の割合が多い気がします。

中央広場までは普通に歩いて10分くらいでしょうか。写真を撮りながら歩いていたのでまだ遠いです。

ここには素敵なお店がありますが、行ったのは三日間の滞在の最終日なのでこの記事のパート2で紹介します。

この町の風景が気に入りました。

気のせいかもしれませんが、他の街に比べて緑が多いです。

どの写真にも植物が写っています。こういう街並みを歩くのは非常に心地良いです。

建物の写真を少し。ホイヌフは面積が小さいため人口密度は高いようですが、町の景観には余裕があるように思います。

住宅街。

ここはPoczta Polska(ポーランド郵便)。ホイヌフのポストカードがないかなと思って入ってみたのですが、ポストカードはありませんでした。小さい町だとよくこういうことがあります。

標識にはLubin, Nowe Miasteczkoと書かれています。Lubin(ルビン)は近郊の街です。

Twitterでポーランドに関連するツイートを検索することがあるのですが(キーワードは主に「ポーランド語」「ヴロツワフ」など)、最近ルビンに関するツイートが多いです。皆さんルビンに行こうとしていてなぜだろうと思っていたのですが、調べてみるとわかりました。日本の男子バレーボールプレーヤーがルビンにあるポーランドバレーボール1部リーグのチームCuprum Lubin(クブルム・ルビン)に移籍したようです。

ルビンはホイヌフから見て北東にあります。Nowe Miasteczkoは「新しい町」という意味でそんな名前の町が本当にあるのかと疑っていましたが、地図を見てみるとありました。ホイヌフからは北北西方面に位置していますが、車で行くとなるとルビンを通るようなのでこの看板では同じ方向になっています。

なお、ポーランドにはLublin(ルブリン)という街があります。ルブリンはポーランドの主要都市の一つで、ポーランドの国土の東端の方にあります。実は、LubinとLublinは元々同じ名前なのです。…と言うと「いやいや、Lublinにはlが入っているじゃないか」と思われるかもしれません。

しかしロシア語・ウクライナ語・ベラルーシ語が属する東スラヴ諸語において、唇を使って調音する軟子音群(唇を使うのはb, p, m, v, fなので、b’, p’, m’, v’が当てはまります。fは元々スラヴ諸語において独立した音素ではなく、後に外来語の流入によって独立した音素となったため除外されます)がbl’, pl’, ml’, vl’になるという音韻変化が昔起こりました。

例えばポーランド語でlubić(好む)の現在1人称単数形はlubię(発音はlub’ę)ですが、ロシア語における同じ語源の動詞любить(ラテン文字で表記するとl’ubit’)の現在1人称単数形はl’ubl’uです。また別の音韻変化によってポーランド語では最後にę、ロシア語ではuが現れているのですが、それでもロシア語ではbの後にlが入ってきているのがわかると思います。

さらに、ポーランド語のziemia(z’em’a)はロシア語ではземля(z’eml’a)。この例でもロシア語ではmの後にlが入ってきています。

実はLublinはこれと同じようにLubin(発音はlub’in)のbの後にlが入ってできた形で、lが入る前はやはりLubinだったのです。同じ地名が二つ以上存在することは稀ではないので、元々被っていたのは偶然だと思われます。

ポーランド語は東スラヴ語群ではなく西スラヴ語群に属しているのですが、他にもこのlが入ってきてしまった例があります。”kropla”(「雫」ですが、本来kropiaになるはず), “niemowlę”(「赤ちゃん」ですが、本来niemowięになるはず)などです。

激しく脱線してしまいごめんなさい。私はポーランドでポーランド語の歴史音韻論を勉強していたのでこういうことばかり考える毎日だったのです。続けます。

この辺りの建物はあまりおしゃれではありません。

中央広場に着きました。

ホイヌフの中央広場は縦にものすごく長いです。

改装中の建物もありました。3ヶ月経ってからまたホイヌフに来たのですが、その時は既に改装が終わっていました。

中央広場の緑地はしっかり手入れされていて花も咲き、綺麗でした。

奥に見えるのがホイヌフの主な教会であるKościół św. Piotra i Pawła(聖ペテロ・パウロ教会)です。

家族訪問

この後家に行き、家族と挨拶してご飯を食べました。この週末は家族だけでなくい兄弟夫婦、いとこやその家族などが集まっていて賑やかでした。3日間の滞在で運良くこれだけの人数と顔を合わせることができたのは嬉しかったです。少し休んでからまた散歩に出かけました。

この看板にはZłotoryja, Zgorzelecと書かれています。Złotoryjaはホイヌフから車で10分くらいの場所にありますが、Zgorzelecは遠いです。レグニツァからホイヌフを過ぎてさらに行くとボレスワヴィエツ陶器で有名なBolesławiec(ボレスワヴィェツ)があり、レグニツァからは40km程度離れているのですが、さらに40kmくらい進むとZgorzelecに着きます。ドイツとの国境の町です。

これはホイヌフを流れるSkora(スコラ川)。

とりあえず彼女についていきます。

不思議な建物です。

15分くらい歩いたところで公園に着きました。

公園とはいえまるで森です。

このような本格的な公園も好きです。

やはりこの辺りにはあまり人がいませんでした。

何かの水。

この森のような部分を抜けるとグラウンドが見えました。さらに進むと公園らしい遊具やベンチのある場所がありました。

コガネムシを見つけたので撮っておきました。
私は先ほど家でスープを飲んだためトイレに行きたくなってしまったので、急いで家に帰ることにしました。

ここでパート1は終わりです。パート2はこちらから読めます。↓

ポーランド各都市訪問記: Chojnów(ホイヌフ) (2/2)

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