日本にはポーランド語の語学検定がありませんが、ポーランドでは検定試験が行われています。今回はその試験の紹介です。
日本の語学検定
日本では様々な語学検定を受けることができます。検定を持つ外国語の数は10以上です。しかし、マイナーな言語の検定は日本で受けることができません。
ポーランド語がマイナーかどうかはさておき、日本にはポーランド語の検定試験が存在しません。そのため、ポーランド語の能力を証明したいと思ってもそう簡単にはいかないのです。
ポーランドのポーランド語検定試験
ポーランドにはPaństwowa Komisja do spraw Poświadczania Znajomości Języka Polskiego jako Obcegoという団体が政府公認で主催するポーランド語能力試験があり、この試験に合格するとポーランド語の能力証明を得ることができます。
試験の名称はPaństwowe egzaminy certyfikatowe z języka polskiego jako obcego(外国語としてのポーランド語検定試験)です。
試験は2004年から行われています。2007年には日本でこの試験が行われましたが、その一回を除けば受験できるのはポーランドのみです。
基本的に検定は年3回、ポーランドの各主要都市で行われます。開催都市は毎回変わるので、申し込む際は注意しましょう。(ほぼ毎回ウクライナにも開催都市があります。
レベルと受験料
試験のレベルはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)というヨーロッパで最も広く用いられている言語の習熟度の基準に基づいていて、簡単な方からA1, A2, B1, B2, C1, C2の6段階です。
しかし、毎回全てのレベルの試験が行われるわけではなく、年3回のうち1回は全レベル、2回はB1, B2, C1のみというのが基本です。
受験料はレベルによって様々ですが、100ユーロ程度は見積もっておいた方が良いでしょう。合格すると、証明書を発行してもらうのに別で手数料がかかります。
試験の内容と合格基準
試験は筆記・面接(会話)の2つのパートに分かれています。1日目は筆記、2日目は面接というように2日にわたって試験が行われることが多いです。筆記試験の内容は、B1からC2が
1. 聴解
2. 読解
3. 文法
4. 作文
です。A1とA2の場合は文法が独立したカテゴリーとして存在しないので聴解・読解・作文の3項目になります。
それぞれ別々に回答するので、項目ごとに試験時間が決められていて間には休憩が入ります。試験時間自体が長いだけでなく休憩回数も多いということで、試験による拘束時間は非常に長くなります。
これらに加えて会話が最後の項目となり、試験の合否はこの全項目で決められた割合(50%, 60%など)を満たしているかどうかで決まります。一つでも合格基準を下回っている項目があれば不合格となります。
まとめ
私自身は2017年11月にB1レベルを受験して合格しましたが、その後は受験機会がありませんでした。当時B2でも受かるかなと思いつつも安全策でB1を受験したのですが、あまりにも簡単に合格したのでB2にしておけばよかったと思っています。
ポーランド語の試験がポーランドでしか受けられないのは不便ですが、受ける価値のある試験だと思います。
日本では外国語のレベルをCEFRで言っても通じませんが、ポーランド語は貴重なスキルなので持っておくとアピールポイントにできるかもしれません。