ポーランド語学習支援講座: レッスン14(ポーランド語の7つの格)

前回はポーランド語の格がどのような仕組みになっているのかを学びました。今回はポーランド語にどんな格があるのかを紹介します。

ポーランド語の格一覧

ポーランド語には格が7つあります。ではどんなものがあるのでしょうか。

主格 (mianownik) ※英語ではnominative
生格 (dopełniacz) ※英語ではgenitive
与格 (celownik) ※英語ではdative
対格 (biernik) ※英語ではaccusative
造格 (narzędnik) ※英語ではinstrumental
前置格 (miejscownik) ※英語ではlocative
呼格 (wołacz) ※英語ではvocative

名詞には単数と複数の区別があり、それぞれに7格分の形があるため名詞の語形変化は基本的に14種類あることになります。

イメージをつかむために「ポーランド人(男性)」を意味する男性名詞Polakの変化表を見ておきましょう。まだ覚える必要はありません。

ポーランド語の格の名前の意味と用法

ポーランド語の格にはそれぞれポーランド語で名前がついていますが、それぞれどういう意味なのでしょうか。そして、どういうときにどの格が使われるのでしょうか。

主格 (mianownik)

miano「名称」からきていると思われます。

主語の働きをする格です。

例文: Janusz jest Polakiem.「ヤヌシュはポーランド人である」※Janusz「ヤヌシュは」が主格

生格 (dopełniacz)

dopełniać「補う」からきていると思われます。

所有格に似ていて、例えば「(名詞1)の(名詞2)」という言い方をするときは名詞1を生格にします。目的語をこの格でとると決まっている動詞もあります。さらに、否定文でよく使われます。この格とつながる前置詞もあります。

例文: To jest książka Janusza.「これはヤヌシュの本だ」※Janusza「ヤヌシュの」が生格

与格 (celownik)

cel「目標」からきていると思われます。

間接目的語という概念に近く、何かをあげる相手、何かをしてあげる相手を表します。さらに、文法的な主語のない文の意味上の主語やネガティブな出来事の被害者も表します。この格とつながる前置詞もあります。

例文: Dam Januszowi książkę.「私はヤヌシュに本をあげる」※Januszowi「ヤヌシュに」が与格

対格 (biernik)

brać「受け取る」からきていると思われますが、bierny「受動的な」から考えた方がイメージしやすいでしょう。

直接目的語を表す格で、多くの動詞の目的語に使われます。この格とつながる前置詞もあります。

例文: Szanuję Janusza.「私はヤヌシュを尊敬している」※Janusza「ヤヌシュを」が対格

造格 (narzędnik)

narzędzie「道具」からきていると思われます。

手段を表す格です。この格とつながる前置詞もあります。

例文: Pojadę do Warszawy pociągiem.「私は電車でワルシャワに行く」※pociągiem「電車で」が造格

前置格 (miejscownik)

miejsce「場所」からきていると思われます。

単独では現れない格で、必ず前置詞の後に来ます。場所を表すことが多いです。

例文: Jestem w Warszawie.「私はワルシャワにいる」※Warszawie「ワルシャワ」が前置格、w「~に」は前置詞

呼格 (wołacz)

wołać「呼ぶ」からきていると思われます。

相手に呼びかけるときに使う格です。最近では主格の形で代用されることが多くなっています。実際スラヴ諸語全体を見ても呼格は衰退していて、例としてロシア語では呼格というカテゴリーが消滅しいくつかの古い形を残すのみとなっています。

例文: Januszu! Przynieś książkę!「ヤヌシュ、本を持ってきなさい!」※Januszu「ヤヌシュ」が呼格

まとめ

それぞれの格の簡単な説明をしました。まだ動詞などを勉強していないのであまり詳しいことは書かないようにしました。

 

 

 

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