ヴロツワフの公共交通機関ガイド

この記事では、ポーランドの都市ヴロツワフへの旅行を計画している方のために、ヴロツワフの公共交通機関の使い方やアドバイスを紹介します。

ヴロツワフの公共交通機関

ヴロツワフにある公共交通機関は、

・トラム (tramwaj)
・バス (autobus)

の2種類です。地下鉄はありません。

ポーランドでは珍しい現象だと思うのですが、ヴロツワフでは全体的にトラムの方が便利です。

ヴロツワフの公共交通機関の質

ヴロツワフは公共交通機関の質が高いことで知られています。トラムもバスもほとんど遅れませんし、本数も多いので便利です。しかも、街の隅々まで走っています。ポーランドでこれほど公共交通機関が充実している街はあまり見たことがありません。

なお、停留所には時刻表だけでなく電光掲示板がついていることが多く、どのトラムまたはバスが何分後に来るかというのがリアルタイムで表示されています。

車内は基本的に快適です。エアコン付きでバリアフリーデザインの新しい車両と、エアコンがなく席も硬い古い車両がありますが、新しい車両の方が割合が多いと思います。ポーランドでは日本よりも席を譲るべき人に譲る意識が強いので、車内が混んでいるときにお年寄りや体の不自由な人が乗ってきたらできるだけ席を譲りましょう。

チケットの種類・値段・システム

ポーランドの公共交通機関は日本人の感覚で見ると非常に安いのですが、ポーランド国内の基準で考えても質の割に値段が安いのがヴロツワフの公共交通機関の魅力です。

ここからは2019年1月現在での情報をもとにチケットの種類と価格を紹介していきます。単位はzł(ズウォティ)で、1złは30円くらいだと思ってください。なお、割引チケットは紹介する値段から半額です。

割引を受けられるのは高校生以下、大学生、シニアなどです。この記事を書くまで知らなかったのですが、ヴロツワフではポーランド国外の大学の学生もISIC(国際学生証)を持っていれば割引を受けられるようです。

この記事を書くときに規約に目を通していてそういう風に理解したのですが、自分で試したことはないので確信を持って言うことはできません。割引のシステムは複雑なので、割引チケットを買う場合は自己責任でお願いします。

一回券 (移動時間に関わらず、乗ってから降りるまで有効。つまり乗り換え不可)

一般線… 3.40
急行・夜間線… 3.60

時間券 (打刻した時刻からチケットに記載された時間内は有効。時間内なら乗り換えは何度でも可能)

15分券… 2.40
30分券… 3.00
60分券… 4.40
90分券… 6.00
24時間券… 11.00
48時間券… 20.00
72時間券… 26.00
168時間(7日)券… 46.00

他にも種類がありますが、ヴロツワフ市民向けのカードであるURBANCARDを作らないと買えないものがほとんどで、短期滞在者には関係がないので省略します。

30分券、24時間券、168時間券の実物です。

基本的には30分券を買うことになると思います。なぜなら、一回券よりも値段が安く乗り換えが可能で、30分以上同じ車両に乗り続けることは滅多にないと思うからです。

もし公共交通機関を何度も使いたいのであれば、滞在日数に合わせて24時間券、48時間券、72時間券を買った方がお得です。いずれも日本の感覚では安いですし、これらを持っているとフットワークが軽くなります。

乗るときの注意

検札について

バスやトラムに乗るとき、チケットは確認されません。その代わり、抜き打ちで検札員が乗り込んできて有効なチケットを持っていない人から高額の罰金を取ります。

つまり、検札員に出くわさない限りはチケットがなくても乗れるということになります。正直に言って、チケットの値段・検札員の出現率・罰金の額を考慮した時にチケットを買うのと買わないのとどちらがお得なのかは謎です。

それでも短期滞在で罰金を取られると痛いですし、検札員が乗ってこないかビクビクしながら移動するのも神経がすり減ると思います。ポーランド語が話せなければ罰金時に面倒なことになりますし、毎回有効なチケットを持って乗ることをおすすめします。

チケットの購入方法

チケットは停留所のそばにある自販機で買うことができますが、全ての停留所に自販機がついているわけではありません。そのため、いつも余分にチケットを持っていた方が良いかなと思います。

というのも、最近システムが変わり、車内でのチケット購入はタッチ決済のクレジットカードでしかできなくなったからです。

また、チケットは持っているだけでは意味がありません。トラムやバスに乗ったら、必ず改札(打刻)してください。改札機は車内の至る所にあり、チケットが入るような細い隙間にチケットを差し込むと時刻が刻まれます。こうしてはじめてチケットが有効になるのです。

説明すべきことはこれくらいだと思います。ヴロツワフの公共交通機関は本当に優秀で、これをうまく使えば観光の幅が広がります。ぜひトラムやバスに乗ってヴロツワフ全体を見てきてください。

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