ポーランド国鉄PKPの長距離電車PKP Intercityの利用方法

ポーランド国内を移動する場合、電車を使うと便利です。価格も安く、短時間で快適に移動することができます。

この記事では、ポーランド国鉄(PKP)が運営する都市間路線PKP Intercityを利用したことがない方のために、乗り方についてのアドバイスをします。

PKPとは

PKP(ペカペ)はPolskie Koleje Państwowe、つまりポーランド国営鉄道の略です。ポーランドを代表する鉄道会社で、営業成績も好調なためどんどん新駅舎建設や路線拡張への投資を行っています。

このPKPが提供している都市間路線がPKP InterCity(ペカペ・インテルスィティ)です。ポーランド旅行で大きな都市を回る場合に利用することになると思います。

チケットの買い方

InterCityでは、チケットは全て指定席で予約制です。駅の窓口でも切符を購入することができますが、PKPのウェブサイトでもチケットを購入することができます。

PKP InterCityのウェブサイトはポーランド語だけでなく英語にも対応しています。ポーランドに行く人ならポーランド語か英語がわかると思うので、サイトの操作については問題ないと思います。ただ、このサイトは元々使いにくいのでそれだけは我慢してください。

インターネットでチケットを買う場合

駅の窓口で切符を買う場合はチケット売り場の人と話をすれば買えますが、インターネットで買う場合は気をつけなければいけないことがいくつかあります。

トップページで出発地・目的地・発車時刻を入力して検索すると、チケットが選択できます。それぞれの電車の出発時刻と到着時刻、所要時間、電車の種類、一等車と二等車の値段が表示されていると思います。

座席について

それぞれの電車の欄には色のついた人が3人並んでいるマークが表示されています。これが予約状況を示すもので、緑色の人が2人いれば問題なく予約できます。

黄色い人が2人いると席の種類が色々あるうちどれかが満席で、黄色い人が3人の場合は席がもらえません。席がもらえないというのは、チケットを買って電車に乗ることはできるものの自分の席がないということです。

自分の席がない場合、チケットには席番号が書かれていません。しかし、乗客が全員始点から終点まで乗っているわけではないので、席が空いたら座っても大丈夫です。席に座っていて、その番号の席を持っている人が現れた場合はその席から立ち去らなければいけません。

電車の種類

また、電車の種類としてEIP, EIC, IC, TLKの4種類があります。

EIPはExpress InterCity Premiumの略で、ペンドリーノと呼ばれるポーランド最速の電車によって運行されています。車内設備も最高級で、値段は最も高いです。

EICはExpress InterCityの略で、EIPの次に速い電車です。しかし、実際のところ次に紹介するICと比べてそこまで速いわけではありません。EIPとEICでは軽食が価格に含まれていて、職員が席まで食べ物を届けてくれます。また、食堂車とWi-Fiが必ずあります。

ICはInterCityの略です。最も安い電車です。これでも十分速いので、私はいつもこれを使っていました。食堂車がついていて、車両によってはWi-Fiもあります。

TLKはTwoje Linie Kolejoweの略です。ICと値段は一緒ですが、最もランクの低い電車です。食堂車もWi-Fiもありません。私はカトヴィツェとヴロツワフを往復していた時代に時々TLKを利用していました。カトヴィツェ-ヴロツワフ間はICとTLKが運行しており、時間によってはTLKに乗るしかなかったからです。

残りの予約プロセス

電車を選んで画面の下の方に移動すると、詳細を選択することができます。利用人数、利用する割引運賃の種類、等級、希望する席の種類(コンパートメントか否か)、希望する席の位置(窓側/通路側)などの情報を入力します。

ここで注意ですが、PKPで日本の大学の学生が学生割引を受けることはできません。自分が大学生だからといって学生割引(51%OFF)でチケットを買うと、違反となり最悪罰金が科せられます。

次のページに進むと、自分の名前を入力する欄が出てきます。ここでは、自分の身分証明書(パスポートが最善)に書いてあるローマ字表記に従って入力してください。名前を入力するのは、PKPのチケットをインターネットで購入する場合車内で本人確認があるためです。

この後、PKP InterCityのアカウントにログインするか、アカウントを持っていなければ作るように言われます。これからもPKP InterCityを何度も利用する予定であれば、アカウントを作った方が次からの購入がスムーズになるので作った方が良いです。そうでなければ、登録せずに購入するというオプションを選んでください。最低限の情報を入力するだけで済みます。

あとは支払いを済ませれば購入完了です。電子チケットが発行されます。チケットは入力したメールアドレスにも送られてくるので安心です。

電車に乗るときはチケットと身分証明書を携帯しましょう。チケットは印刷したものでも携帯の画面でも大丈夫です。国際線の場合は印刷しなければいけなかったような気もしますが、国際線を利用したことはないのでわかりません。

乗るときの注意

特に注意することはありませんが、不安の種になりがちなことをまとめます。

電車に乗るために駅に着いたら、電光掲示板で出発情報を確認しましょう。そこに何番ホームから乗車すれば良いかが書かれています。「○番ホーム」を表すのがperon、「○番線」を表すのがtorです。

改札はないので、そのままホームに行って電車を待ってください。

なお、出発ホームは突然変更になることがあるので、アナウンスには注意してください。多くの外国人が利用するような路線ならポーランド語の案内の後に英語の案内がありますが、ポーランド語のみの場合も多いです。周りの人の動きに注意して、不安であれば周りのポーランド人をつかまえて聞いてみてください。

電車に乗り込んだら、自分の席を探します。電車の扉の窓に車両番号が書かれていて、車内には席番号が書かれています。

チケットを見てください。Wagonと書かれているのが車両番号で、Nr miejscaと書かれているのが席番号です。

発車したらゆっくりしていて大丈夫ですが、どのタイミングで車掌が検札に来るかはわかりません。自分の番が来たら、チケットと身分証明書を見せてください。それだけです。

なお、長い距離を乗っていると車掌が何度も現れますが、それは後から乗ってきた人のチケットを確かめるためなので、もうチケットを見せたなら無視して大丈夫です。

あとは目的地に着くまで待つだけです。

最後に

ここまで色々な説明をしましたが、特別難しいことはないので安心してください。

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