[ポーランド留学]大学の授業6: ヨーロッパ諸言語の中におけるポーランド語

ポーランド留学中に大学で受けた授業の紹介です。今回はJęzyk polski na tle języków europejskichという科目です。

授業の構成・講師

これは国際ポーランド学学科の修士課程一年生向けの授業です。ポーランドの大学には講義と演習という2つのタイプの授業があり、この科目も講義と演習に分かれていました。

なお、この授業には北京外国語大学から来ている中国人留学生が参加していました。全部で10人近くいたと思います。その他の留学生もこの授業に通っていました。そのため、修士一年の授業とはいえそこまで難しいものではありませんでした。

私は初週に講義と演習のどちらも受けてみて、2週目からは講義にのみ通いました。というのも、演習は水曜1限(8:00-9:30)で、水曜日は他にも3限(11:30-13:00)・4限(13:15-14:45)・ポーランド語講座(18:00-19:30)があり、学生寮が大学から遠いためにこのスケジュールだと空き時間に家に帰れないからです。

これでは体力的に負担が大きすぎると思いました。その上欠席は1回のみ可、そして毎週テストがあるということを初週に言われました。聴講生ということでこの授業を取らなくても良い私は、他の科目に力を入れた方が良いと思い演習に通わないことにしました。

後から聞いた話ですが、中国人留学生たちにとってもこの授業が免除になったそうです。彼らには内容が難しすぎるし要求も厳しすぎるとのことでした。

演習の先生は「ポーランド語の歴史・構造・差異化」と「現代ポーランド語」でも教えていた人です。なぜこの科目でだけそんなに厳しいのかはわかりません。

私が通っていた講義は、カリキュラムにおいて普通の授業の半分の授業時間に設定されていました。というのも、この大学では30時間用の科目と15時間用の科目があり、30時間用の科目は毎週90分授業が行われるのに対して、15時間用の科目は講師が決めた方法でその半分だけ行われるのです。

15時間用の科目は毎週45分だけ行われたり、隔週で90分行われたり、決められた時間をやり切って学期の残りは休みにしたり、授業によって様々です。「ヨーロッパの緒言語の中におけるポーランド語」は最初から普通のペースで行われ、学期の後半が休みになりました。

講義を受け持っていた先生は前学期に「各地域の歴史と文化」と担当していた人です。典型的なシロンスク地方の女性で、大学のポーランド言語文化学校の校長も務めています。

講義の内容

ヨーロッパの言語のほとんどはインド=ヨーロッパ語族というグループに属していて、互いに繋がっています。そのため、ポーランド語だけでなくヨーロッパで話されている他の言語にも目を向けると色々なことが見えてきます。そういう授業です。

特に勉強になったような内容はありませんでしたが、自分のインド=ヨーロッパ語族に関する知識を確認しながらあやふやな箇所をはっきりさせたり新しい情報を吸収したりすることができました。

さらに、ヨーロッパの諸言語を扱っているということを利用した特別講義も行われました。

ウクライナ人講師による授業が2回あり、それぞれ違う人が講義してくれました。

一つ目はポーランド語とウクライナ語の違いについての授業で、アルファベットがどのように異なるのか、音がどのように異なるのか、文法がどのように異なるのかなど、この2言語に限らずもっと広い視点を交えて説明してくれました。言語学に詳しい人だと思います。ポーランド語も非常に上手でした。

もう一人のウクライナ人講師による「空似言葉」についての授業も面白かったです。ポーランド語とロシア語、そしてポーランド語とウクライナ語には実質同じ音の単語がいくつもあるのですが、その一部は全く違う意味を持っているので気をつけなければいけないということです。この人はウクライナ訛りが強かったです。

マケドニア人留学生の二人によるキリルとメフォディについてのプレゼンテーションもありました。この二人はスラヴ語を話すギリシャ人宣教師で、スラヴ地域にキリスト教を広めにやってくるにあたって古代教会スラヴ語というものを作りました。

これは、それまで文字を持たなかったスラヴ系言語が初めて文語として記録された、歴史的な出来事です。また、キリル文字というアルファベットの名前はこのキリルという人物からとられています。

まとめ

このように、広い視野を持つことでポーランド語に対する理解を深めるような授業でした。楽しかったです。

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