Walfad ライブレポート 2017.12.03

ポーランドのプログレッシブロックバンドWalfadのライブレポート記事です。このバンドのライブレポートは恐らく日本初でしょう。

Walfad

参加したのはポーランドのプログレッシブ・ロックバンドWalfad(ヴァルファト)のコンサートです。Walfadという不思議なバンド名は”We Are Looking For A Drummer”の頭文字をとってポーランド語読みしたものです。

WalfadはWodzisław Śląski(ヴォジスワフ・シロンスキ)というカトヴィツェ近郊の町で結成されたバンドです。私はこの町に何度か行ったことがあります。

1stアルバム”Ab Ovo”は2013年にリリースされ、2018年現在で計4枚のアルバムが発表されています。

ギターボーカルのWojciech Ciuraj(ヴォイチェフ・チュライ)は2017年11月に初のソロアルバム”Ballady bez Romansów”を発表したばかり。今回のコンサートは、Polskie Radio Katowice(ポーランド国営ラジオカトヴィツェ局)の90周年記念ライブでした。

Walfadはつい最近までメンバーが大学生だったというかなり若いバンドです。ポーランドのŁódź(ウッチ)で行われた2017年4月のMarillion Weekendでは大御所バンドMarillionのオープニングアクトに選ばれました。

さらに11月にカトヴィツェで行われたProcol Harumのライブでも、Walfadはオープニングアクトを務めました。2018年には初の海外ツアーを行いました。

2ndアルバム”An Unsung Hero, Salty Rains and Him”と3rdアルバム”Momentum”、そして4thアルバム”Colloids”にはいずれもポーランド語盤・英語盤の両方が存在します。国外での活躍を目指していることが窺えますが、それは実を結んだようです。

ライブ会場

ライブが行われたのは2017年12月3日、日曜日の夕方でした。
会場はここ。

ポーランド南部、チェコ国境に近いところにあるカトヴィツェの中心部です。

ついでですがなんと普段通っていた大学のキャンパスから100mくらいしか離れていません。

この建物です。このあと1月に自分がここでインタビューを受ける羽目になりました。

ギターボーカルのWojciechとはFacebookを通じてやりとりをしたことがあり、その流れでライブに誘われましたが実際にWalfadを見るのは初めてでした。

このライブはラジオ局のアニバーサリー企画なので入場無料でしたが、開場を待っているとWojciechのお母様が私を見つけてチケットを渡してくれました。

観客の年齢層は基本的に高めで、ロック好きっぽい服装をした若者のグループもいましたが基本的にはバンドの知り合いも多いのかなと思いました。Wodzisław Śląskiからは電車で50分弱(車ならもっと速いはず)で来ることができるので地元からの観客も来れる場所です。

なおこのライブの模様はストリーミング中継され、YouTubeにアップされました。

ライブ内容

若いバンドで当時3枚しかアルバムを発表していなかったのでレパートリーが少なく何が演奏されるかはだいたい予想していましたが、セットリストは次のようになっていました。

  1. Ośmiornice
  2. Brzask
  3. Wędrowiec nad Morzem Mgły
  4. Liście(+Momentum)
  5. Dum Spiro, Spero
  6. Głośniej
  7. Oddech dla Słów
  8. Nasi Bogowie, Wasi Bogowie
  9. Brzask (アンコール)

2ndアルバム”An Unsung Hero, Salty Rains and Him”からの18分に及ぶ組曲”Liście”以外は全て当時の最新アルバム“Momentum”からです。

しかも”Liście”にも”Momentum”からの表題曲であるインストトラック”Momentum”を挿入するという思い切った構成。曲順もほとんどアルバムと一緒で全曲演奏されました。

ライブの様子は上のリンクから動画を見ればわかってしまうので、会場で聴いてどう感じたかに重点を置いて書いていきたいと思います。

ライブの感想

まずWojciechはフロントマンにしてはおとなしいパフォーマンス(とはいえ顔を見るとかなり気合が入っているのがわかります)をしますが、ボーカルが非常に安定していてとても聴きやすかったです。

ただ、今日はギターがWojciech一人だったため、Nasi Bogowie, Wasi Bogowieのスタジオ音源でゲストギタリストが弾いている派手なギターソロがありませんでした。

ここはWojciechが自分でアレンジして弾いており、これが音色のせいか迫力に欠けるかなという思いました。しかしこれはバンド編成上仕方のないことです。

ベースのRadosław Żelazny(ラドスワフ・ジェラズヌィ)は長身・細身ですが、かなり感情を込めて動きながら演奏するタイプでWojciechとは対照的でした。

Nasi Bogowie, Wasi Bogowieの最後には気合を入れすぎてベースのストラップが外れてしまい、アンコールでは椅子に座って演奏するという面白いシーンもありました。

キーボードは今回代替メンバーでしたが、かなり経験豊富そうな演奏でした。

ドラムのJakub Dąbrowski(ヤクプ・ドンブロフスキ)はロックバンドらしくない少しおしゃれな衣装に身を包んで登場。

ドラム演奏には詳しくないのであまり言えることはありませんが、ライブ後には会場の片づけをしていたのかなかなか残りのメンバーのもとに戻ってこなかったため、他のメンバーが笑っていました。

終演後はバンドメンバーと少し会話した後、最近発売されたMomentumの英語盤を購入してブックレットにサインをもらいました。さらにライブポスターももらい、バンドメンバー&主要スタッフの集合写真に参加させられてきました。

 
 

 

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