happysad: “Nadzy na Mróz” 楽曲レビュー

ポーランドのロックバンドhappysadのアルバム”Ciało Obce”収録の楽曲“Nadzy na Mróz”の紹介です。

happysad

happysadポーランドオルタナティブロックバンドです。バンド名の発音は「ヘピセト」のようになります。ポーランド語話者の感覚では/æ/(“happy”と”sad”それぞれの”a”の英語での本来の発音)は/ɛ/になり、語末の子音が無意識のうちに無声化(/d/→/t/)するからです。バンドは2000年代から活動しています。

ポーランドでは最も人気のバンドの一つです。特に若者に人気ですが、若者以外も知っているようなバンドです。私はポーランドのカラオケで60歳くらいの男性がhappysadの曲を歌っているのを聴いたことがあります。

歌詞もこのバンドの魅力の一つです。普遍的で誰にでも伝わるようなある意味「とっつきやすい」文章であるにもかかわらず、いつもよく考え抜いた言葉で書かれています。

Ciało Obceというアルバム

“Ciało Obce”は2017年に発売されたバンドの7作目ですが、happysadは6作目の”jakby Nie Było Jutra”から音楽性を変化させてきており、特にダークな曲が増えたためイケイケ系のhappysadファンからは悲鳴が上がりました。

非常にアーティスティックなアルバムなので私はhappysadが今までに出したアルバムの中で一番好きですが、バンドも大人になったのか方向性が変わったということでファンの反応は賛否両論でした。

また、このアルバムでは全曲分一つの場所でMVが撮られており、YouTubeで丸ごと楽しむことができます。

初期はパンク的なシンプルでノリの良い曲を中心に作っていたのですが、そういう経緯でここ最近はただのポップバンドで終わらない魅力を放っています。

楽曲レビュー

タイトルは「ナヅィ・ナ・ムルス」と読みます。アルバムを締めくくる曲で、落ち着いた雰囲気と無駄のない演出によって洗練された作品になっています。

私はこの控えめながらも味のある曲構成に感心しました。happysadが大人になったというのがそのままこの音楽に表れています。

happysadの歌詞のようにシンプルながら考え抜かれている名曲ですし、これを楽しむと同時にポーランドのロックという普段聴かないような世界に触れられるので”Nadzy na Mróz”はおすすめです。

 

 

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