Abraxasの4枚のアルバムのレビューを書き終わったので、Abraxasの楽曲のうちCDに収録されていない曲をいくつか紹介したいと思います。
※Abraxasのバイオグラフィはアーティスト紹介にまとめています。アーティスト紹介記事から各アルバムレビューにも飛べます。
はじめに
1987年に結成され1996年にデビューし、2000年に解散したAbraxas。発表したのはスタジオアルバム3枚(うち2枚に英語盤あり)とライブアルバム1枚と少ないのですが、CDにならなかった未発表曲がいくつかあり、その一部はインターネットで公開されています。
恐らくファンでなければ見つけられないと思うので私がこの記事にまとめることにしました。
なお、インターネットで聴けるのは全てデビュー以前、つまり1996年より前の曲です。それ以降の楽曲で未発表のものがあるのかどうかはわかりません。
Esmeralda
3分台のAbraxasにしては非常に短い曲です。動画の概要欄にはAbraxasの最初にできた曲の一つで、映像は1992年にバンドのホームタウンで行われたライブのものであると書かれています。
バンドのデビューが1996年なのでかなり古い曲です。1992年といえば、バンドの2度目の解散前の時期にあたります(Abraxasはデビュー前にも2度解散しています)。
サウンドは80年代のポンプロックそのままです。Abraxasの他の曲に比べるとメロディが弱いですが聴いて十分楽しめます。
やはり曲調の変化など短い中にもプログレッシブな面が見られて面白いです。この頃からAdam Łassaのボーカルを中心にしたバンドであったことがわかります。
Horeb
アップテンポでプログレッシブな演奏が聴ける曲です。1995年に録音された音源のようです。
特徴的なサウンドはAbraxasらしいですが、意外にもポップです。変拍子も使われていて、Abraxasのネオプログレ的な音楽性が表れています。
粗い感じの録音になっていますが比較的聴きやすく、メロディはなぜか耳に残ります。この曲が1996年の1stアルバムに収録されなかったのは曲調からも頷けますが、アルバムとして収録するようなしっかりとした録音をすればもっと良い曲になったのではないかなと思います。
Mag
1995年に録音された音源です。
Magとは魔女のことらしいです。歌詞の初めにはエミリ・ブロンテの小説「嵐が丘(Wuthering Hights)」に関する言及もあります。
非常にポップで、Abraxasの音楽であることは感じられるもののこのバンドにはあまり見られないような雰囲気の曲です。たまにはこういう爽やかなAbraxasを聴くのも良いものです。
この音源はスタジオ録音だと思いますが、Adam Łassaのボーカルがかなり音を外しているのが気になります。それがなければもっと聴きやすい曲になったと思うのですが、そこは仕方ありません。
HorebとMagの2曲はボーカルのAdam ŁassaのSoundCloudアカウントで公開されています。
その他
“La Strada” “Gdy Wydaje Niemożliwym Się Pamiętać”が、未発表曲ですが1stアルバム”Abraxas”のリマスター再発盤にボーナストラックとして収録されています。
まとめ
今回紹介した3曲はアルバムに収録されている楽曲群と比べるとクオリティの面で劣るかもしれませんが、聴いていて面白い曲ばかりです。
もしAbraxasのアルバムを全て聴いたならこういう音源に手を伸ばしてみるのも良いかなと思います。