Anathema: “Springfield” 楽曲レビュー

イギリスのロックバンドAnathemaのアルバム”The Optimist”(2017)に収録されている楽曲“Springfield”のレビューです。

Anathema “Springfield”

Anathema(アナセマ)は私が愛するイギリスのロックバンドです。Anathemaについてはすでに何枚かアルバムのレビューを書いているので、ぜひAnathemaタグから探して読んでいただきたいです。

アーティスト紹介記事はこちらです。↓

Anathema: アーティスト紹介

この“Springfield”は2018年時点で最新である2017年作の11thアルバム“The Optimist”を代表するトラックです。スローテンポの曲で、オルタナティブロック・エレクトロニカ・ポストロックを融合したようなアルバムのポストロック的な部分を担っています。

私は2018年8月にポーランドのワルシャワでAnathemaのライブを観ましたが、どうも最新アルバムがしっくりこなかったため聴き込まずにライブを迎えてしまいました。

そこでギタリストのDaniel Cavanaghによる「これは僕のお気に入りです」という前置きの後に演奏された”Springfield”にすっかり圧倒されてしまい、このライブでは他の”The Optimist”収録曲にも感動したのでそれがこのアルバムを聴き込むきっかけになりました。アルバムレビューもいずれ書くことになると思います。

楽曲のレビュー

初めはゆったりとした生暖かい音がリスナーを包み込むように流れていきます。
ボーカルはほぼないに等しいですが、これは元々インストゥルメンタル的楽曲なのでなんら問題はないはずですし、Anathemaのファンはだいたいインストゥルメンタルに慣れているタイプのリスナーなのではないのかなと思います。

拍子は4分の4でも計算が合うのですがそれでは少し違和感を覚えるようなアクセントの置き方がされていて、遅い演奏でも単調にならないところがさすがです。

中盤、ギターの高速ストロークによる轟音が唸り始めます。ここからが本番です。ポストロック的にそのまま曲の終わりまで圧が上がっていきます。

演奏が最高潮に達してからはLee Douglasのスキャットが入るごとに全てがそれに呼応して一旦止まり、また動き始める、という瞬間が繰り返されるですが、この部分の破壊力は普通じゃないです。

Anathemaは何度も音楽性を変化させてきましたが(もしくは音楽性はずっと同じで見せ方だけを変化させてきた?)、前作”Distant Satellites”のアルバム後半からこの”The Optimist”ではまた新しい次元を見せてくれていますね。これからも楽しみです。

 

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