Closterkeller: “Strefa Ciszy” 楽曲レビュー

ポーランドのゴシックロックバンドClosterkellerのアルバム”Viridian”収録の楽曲“Strefa Ciszy”の紹介です。

Closterkeller

Closterkeller(クロステルケッレル)はポーランド出身のゴシックロック/メタルバンドです。主に1990年代から活動していて、カリスマ的女性ボーカリストAnja Orthodox(アニャ・オルトドクス)が中心となっています。

Anjaの暗いトーンの歌声ゴシック的な演奏がトレードマークになっています。楽曲の質は軒並み高いです。

Anja Orthodox自体はポーランド国内でも、そして国外でもある程度知られた名前です。しかしClosterkellerは国内でそこまで知られていないようです。私は2017年のアルバム発売時にポーランドにいたため書籍・マルチメディア店に行ってみたところ新作の棚にそのCDが大量に置かれていましたが、実際に知っている人・聴いている人は少ないです。

Closterkellerは活動歴も長いので2018年時点で10枚のアルバムが出ているのですが、古いアルバムは手に入りにくくポーランドに一年住んでいた私でも見つけられませんでした。

Viridianというアルバム

2017年に発売されたバンドの10作目です。私の感覚ではClosterkellerの作品のクオリティはどんどん上がってきていて、この”Viridian”は特に傑作だと思います。他には2009年発売の8thアルバム”Aurum”も素晴らしいです。アルバムとしては”Aurum”の方が好きです。

Closterkellerは毎回色の名前をアルバムタイトルにしていて、今回はビリジアンです。小学校の頃にこの色の絵の具が絵の具セットに入っていたことを思い出します。

長くて重い曲が多いですが、一曲一曲のレベルが高いので問題なく聴けるアルバムです。Anjaはもう50歳を超えていますが、なんとボーカルはどんどん上手くなってきていて、圧巻の歌唱を聞かせてくれます。

楽曲レビュー

“Viridian”のラストを担う楽曲で、7分以上ありますが全く退屈させません。タイトルは「ストレファ・チシ」と読みます。

メランコリックな響きを持ち、ゴシック的な雰囲気ロマンチズムが同居しているようなサウンドです。

憂鬱な前半と迫力のある後半に分かれた構成で、ヴァースとサビを行ったり来たりする典型的なロック&ポップスの楽曲とは異なっています。

Anjaのボーカルは表現力・パワーともに完璧で、本人がインタビューで語っていた「昔よりも上手く歌えるようになっている」という言葉を証明するかのようです。

ClosterkellerではAnjaが歌詞を書いていますが、この”Strefa Ciszy”を作曲したのは新加入のベーシストAleksander “Olek” Gruszka(アレクサンデル・オレク・グルシュカ)で、Viridianの収録曲の中で彼が書いたものは全て素晴らしいので、次のアルバムまで残ってくれるなら彼に出来るだけ多くのトラックを作曲してほしいなと思います。

自分で撮ったライブ映像

私は2018年4月27日にClosterkellerのライブに行ってきて、聴きたかったこの曲を聴くことができました。その時の動画があるので最後に紹介しておきます。

 

 

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