Budka Suflera: “Jolka, Jolka, Pamiętasz” 楽曲レビュー

ポーランドのロックバンドBudka Sufleraのシングル曲“Jolka, Jolka Pamiętasz”の紹介です。

Budka Suflera

Budka Suflera(ブトカ・スフレラ)はポーランドロックバンドです。70年代から活動していて、最初はプログレッシブロックを演奏していましたがその後はブルースやポップの方向に音楽性が変わりました。2014年に解散することなく活動を終了しています。

英語で歌わないためか国際的な知名度はありませんが、ポーランド国内では国民的人気を誇ります。ポーランドの大学に留学していた時も授業中に何かしらの文脈でこのバンドへの言及があったと記憶しています。

Felicjan Andrzejczak

Felicjan Andrzejczak(フェリツィャン・アンヂュジェイチャク)は、この曲を歌っているボーカリストです。この曲はBudka Sufleraの代表曲でポーランド人のほとんどに知られていますが、彼がBudka Sufleraに在籍していたのは1982年から1983年にかけてのみです。

Budka Sufleraのボーカリストとして真っ先に思い浮かぶのはバンドの結成メンバーでもあるKrzysztof Cugowskiという人物です。この曲が作られたのはちょうど彼が脱退していなくなっていた間なのです。比較用に、Krzysztof Cugowskiが歌っている”Jolka, Jolka Pamiętasz”の動画も紹介しておきましょう。

スタイルが全く違いますね。

楽曲レビュー

この曲は1982年にシングルとして発売され、その後ベストアルバムである”1974-1984″に収録されましたが、オリジナルアルバムには収録されていません。ベストアルバムも入手困難なので非常に残念です。

この曲の魅力はやはりFelicjan Andrzejczakの弱々しいボーカルです。歌が上手なのかどうなのかわからなくなるほどの特徴的な歌唱スタイルですが、心に響く歌であることは確かです。

Krzysztof Cugowskiが歌っているバージョンを聴いた方はすでに感じられたかもしれませんが、この声無しにこの曲は成り立ちません。

紹介している動画は1999年のものなのでFelicjanが51歳の時のライブですが、年齢のせいでこういう声になっているのではなくもともとこういうしわがれた声の持ち主なのです。

ポーランド人に人気のポーランド音楽の中でも特に私の好みに合っている曲で、これを聴くとポーランドに留学していた年の冬を思い出します。ポーランドにやってきた秋くらいにこの曲を知って、それからよく聴いていたのです。

普段Budka Sufleraを聴くことは稀ですが、これはポーランド音楽界屈指の名曲だと思っています。

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