イギリスのプログレッシブロックバンドGenesisのアルバム”Selling England by the Pound”収録の楽曲“Firth of Fifth”の紹介です。
Genesis
Genesis(ジェネシス)はイギリスのロックバンドです。初期はプログレッシブロックを演奏しており、現在でもプログレバンドの代表格に数えられるほどの地位を確立しました。
バンドの初期のボーカルであるPeter Gabriel(ピーター・ゲイブリエル)が初期のプログレッシブな音楽性を象徴していますが、脱退するとドラマーだったPhil Collins(フィル・コリンズ)がボーカルに回り、今度は商業的に大成功を収めました。
フィル・コリンズはソロでも活躍しており、音楽に詳しくない人々にも知られるほどの売れっ子となりました。
どちらにしてもジェネシスは英国的叙情に溢れる作品を作り続けてきました。
私が普段聴くのはプログレッシブロックをやっていた初期の作品です。今回紹介する楽曲もその時期のものであり、プログレ史上最も偉大な曲の一つです。
Selling England by the Poundというアルバム
ジェネシスの5作目にあたるアルバムで、邦題は「月影の騎士」となっています。1973年に発売されました。
ジェネシスの最高傑作の一つという評価がされています。初期の作品はどれも素晴らしいですが、その中でも特に人気が高い印象があります。
私がプログレを聴き始めて早い段階でこのアルバムを購入したことを覚えています。ここからジェネシスを聴き始めました。今ではジェネシスが私の普段から聴く数少ない70年代のバンドの一つです。
アルバム全体が素晴らしいのですが、やはりハイライトとしてこの”Firth of Fifth”が注目されます。後世のプログレバンドに愛され、頻繁にカバーされている曲です。
楽曲レビュー
10分近くある非常に長い曲です。冒頭の変拍子によるピアノの演奏はこの曲の代名詞といっても良いでしょう。
私もこのフレーズが大好きなのですが、恥ずかしながらピアノで挑戦してみたことはありません。今度余裕があったら挑戦してみようと思います。あまり簡単そうには聞こえませんが。
それだけでなく、この楽曲に使われているどのフレーズを聴いてもどこか印象的なものを感じます。それが恐らく名曲たる所以でしょう。
この曲のサウンドを特徴づけるのはやはりピアノの演奏ですが、ロック的なダイナミックさも同時に備えた楽曲です。このクラシックとロックの融合とも言うべき作風がプログレファンに人気の理由なのかもしれません。
音楽に含まれるメランコリー成分を大事にする私にとっては後半の長いギターソロもありがたいです。これを弾いているのはSteve Hackett(スティーヴ・ハケット)で、彼も個人としてプログレ界の大物になりました。「ハケット風ギター」という表現ができるほどなので彼の影響力は計り知れないですね。