Closterkeller ライブレポート 2018.04.27

ポーランドのゴシックロックバンドClosterkellerのライブに行った時のレポートです。

Closterkeller

Closterkellerポーランドのゴシックロックバンドです。ロックよりもメタルに近いです。日本では知名度が低いと思います。

私のお気に入りバンドの一つで、このバンドを主導するのはカリスマボーカリストAnja Orthodox(アニャ・オルトドクス)。彼女がClosterkellerの世界を作っているといっても過言ではないです。

私はClosterkellerを知って長いですが、最初の印象は良いものではありませんでした。なぜなら、Anjaの声質が暗すぎると思ったのに加え、偶然観た動画で他メンバーが上半身裸で気持ち悪いと感じたからです。

しかし私の大好きなポーランドのバンドAbraxasのメンバーとAnjaがコラボしたSvannというプロジェクトのアルバムを聴いてから、Anjaのやっている音楽も聴いてみようという気持ちになりました。それがClosterkellerを聴き始めたきっかけです。

しっかり聴いてみるとClosterkellerの音楽に引き込まれ、いつの間にかファンになっていました。声が苦手だったAnjaについても、その歌唱力を認めるようになりました。

ライブに参加したきっかけ

Closterkellerは精力的にツアーを行っているのですが、私が留学していたポーランドの街カトヴィツェの隣にあるChorzów(ホジュフ)でライブをするという告知を偶然目にしました。

ホジュフなら交通費が無料なので、これ以上の機会はないなと感じました。好きなバンドですし、迷わずチケットを購入しました。

森のような巨大な公園の中にあるライブハウスでのライブで、終了時刻は深夜近くになるので心配ではありましたが。

ライブのスケジュールを見ると他にも近くで行われるライブがいくつかありましたが、日程が合わなかったのでこのライブにだけ参加しました。

開演まで

私はこの日休みだったので、夕方までワクワクしながら待ちました。少し早めに家を出て、まずカトヴィツェの中心部まで出て、それからホジュフへ出かけました。

コンサートが行われるライブハウスLeśniczówkaは、Park Śląskiという公園の中にあります。ここに来たことがなかったので、ついでに散歩もしました。大きくて綺麗な公園です。

開場30分前くらいにライブ会場に着きました。

会場の周りです。

チケットを見せて建物に入ると、ちょうどバーのところでAnja Orthodoxが何か話していました。来る前はサインをもらえたら良いなと思っていたのですが、そのようなチャンスはなかったです。

それでもこの時彼女を初めて見たので、重要な体験でした。

Anjaは最新”Viridian”に合わせて髪をビリジアン色に染めていました。体型は太目で、ステージの外ではおばさんにしか見えません。この時53歳で、年齢は見た目に表れていました。

私はライブを何としても最前列で観たかったので、ライブが行われるホールが開くと真っ先に最前列を取りました。開演まで1時間ありましたが、そこから動く気はありませんでした。

実はこの日、出発4時間前くらいから水分を摂らないようにするなど、トイレに行って良い位置を失うことのないように対策をしてきたのでした。

他の客は9割くらいが黒ずくめの服装をしていて、メタラーばかりのように見えました。ゴシック系のファッションをした若い女性も多かったです。

私は比較的明るい色調の服装をしていましたし、見た目がアジア人なので浮いたかもしれません。

結局、開演は30分以上遅れました。最前列確保のためにずっと立っているのはつらかったです。

セットリスト

覚えていませんし、調べようもありません。Closterkellerの昔のアルバムは入手困難なため、知らない曲が多かったです。

このコンサートは最新アルバム“Viridian”、発売25周年を迎えた“Violet”を主役に据えたライブでした。

最新アルバム”Viridian”からは、“Viridiana”, “To Albo To”, “Król Jest Nagi”, “Pokój Tylko Mój”, “Inkluzja”, “Studnia Tajemnic”, “Strefa Ciszy”の7曲を聴くことができました。

他に知っている曲では“Agnieszka”“Miraż”が演奏されました。

ライブレポート

これが会場です。

私はギタリストの真ん前でした。彼はMichał Jaromirek(ミハウ・ヤロミレク)で、20代に見える若いメンバーです。かなり気合の入った演奏を見せてくれました。

小さいライブハウスだったので中心にいるボーカルのAnjaも近く感じました。

この記事を書いているのもライブから9ヶ月経った2019年1月で、どの曲が最初に演奏されたかも覚えていません。“Studnia Tajemnic”だったような気もします。

音響は良くなかったのですが、Anjaの歌唱は圧倒的でした。先ほど伯母さんに見えると書きましたが、やはりステージに上がると女神のようになります。

彼女が「最近どんどん歌が上手くなっている」と言っているのは恐らく本当で、53歳の歌とは思えない素晴らしいパフォーマンスでした。

メタル系のライブということで音も大きく、ステージの近くにいた私は音が鳴るたびに振動を感じました。

“Viridian”の曲は全て知っているのですが、”Violet”のライブでもあるということで何曲かごとに演奏されるアルバムが変わりました。

これは私が感動した“Inkluzja”です。自分で撮った動画です。非常に荘厳で恐ろしい雰囲気のあるヘヴィな曲ですが、この曲をライブで聴いた時の衝撃は忘れられません。”Viridian”の収録曲の中でも特に素晴らしいです。

これは“Agnieszka”。古い曲ですがファンからの絶大な人気を誇る傑作です。今回のライブではAnjaのMCの量が多く、各曲にまつわる様々なエピソードも聞けました。

“Violet”の各曲も良かったのですが、個人的には新しい曲の方がレベルが高いなと思いました。

4つの動画に分かれてしまった上に撮っていない部分もありますが、これが”Viridian”のオープニングトラック“Viridiana”です。特にイントロのAnjaのスキャットは本物の人魚の歌のようでした。鳥肌が止まらなかったことを覚えています。

これも部分的に2本撮っただけですが、私が”Viridian”の中で最も好きな2曲のうちの一つ“Pokój Tylko Mój”です。この曲でのAnjaの感情の入り方は神がかっていたと思います。そして、この曲が聴けたことに大満足でした。

アップテンポで狂ったようなボーカルが聞ける“Król Jest Nagi”。聴いていて爽快な気分になる楽曲です。

そして、”Viridian”収録曲の中で私が最も聴きたかった、この曲のために来たと言っても過言でもないような“Strefa Ciszy”がアンコール前の最後の曲でした。

この前のMCの時点でこの曲が演奏されることはわかったのですが、このイントロが鳴った瞬間にはクラッときた覚えがあります。そのためか録画を始めるのも少し遅れてしまいました。

私がライブ中に録画をするときは携帯を低い位置に保っており、自分の目は画面ではなく生のライブを観ています。せっかくその場にいるのにカメラをのぞき込んでいてはもったいないですからね。

この曲を聴いている間、あまりの感動に気が遠くなりかけたのを覚えています。演奏も申し分なしで、このライブで最高の瞬間でした。

この曲が終わった時、感動のあまりしばらく笑顔で手を胸に当てたまま立ち尽くしていました。それほど感情が揺さぶられる体験をしたのです。これがライブの醍醐味だなと思います。

しっかり録画したので、ライブが終わった後も時々観ています。

アンコール後は”Viridian”の曲ではなく、また違うアルバムから何曲か演奏されました。アルバム“Nero”からの楽曲だと思います。私はそれも楽しめましたが、やはり”Strefa Ciszy”の後なのであまり集中できなかった記憶があります。

そしてライブの一番最後に演奏されたのは、”Nero”収録の“Miraż”です。この曲を演奏する前に、Anjaはこれが自分にとって最も大事なClosterkellerの曲だと言っていました。

私は”Nero”を持っていないものの、YouTubeでこの曲を聴いたことがありました。好きな楽曲なので嬉しかったです。

これがその動画です。

写真

Anja Orthodox

Michał Jaromirek

Olo Gruszka (ベース)

Adam Najman (ドラム) ※Anjaの息子です。

※キーボードのMichał Rollingerの写真は撮れませんでした。

まとめ

ベテランバンドですが、全く衰えを感じさせないパフォーマンスを見せてくれました。そして、Anjaのカリスマ性もしっかり感じることができました。彼女には人の心を動かす何かがあります。

全体的に、このライブには大満足でした。Closterkellerは頻繁にライブを行っているのに一度しか観れなかったことだけが残念です。

 

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