Cellar Darling: “Insomnia” 楽曲レビュー

スイスのヘヴィフォークロックバンドCellar Darlingの楽曲“Insomnia”(2018)のレビューです。

Cellar Darlingについて

Cellar Darlingスイス出身のヘヴィフォークロックバンドです。スイスのフォークメタルとしてEluveitieが有名ですが、Cellar DarlingはEluveitieを脱退したメンバー同士で立ち上げたバンドです。

バンドは2016年に結成され、2017年に1stアルバム”This Is the Sound”を発表しています。メンバーはAnna Murphy(ボーカル・ハーディーガーディー・フルート)、Merlin Sutter(ドラム)、Ivo Henzi(ギター・ベース)。

バンド名は中心人物であるAnna Murphyのソロアルバム”Cellar Darling”から来ています。このタイトルの響きが気に入ったことからバンド名に使ったらしいです。

(ここからはAnna Murphyをカタカナでアンナ・マーフィーと書きます。)

私がCellar Darlingを知ったのはEluveitieからではありません。私はそもそもEluveitieを聴かないので、どのような曲があるのか数曲試してみた程度です。

では私がどこでCellar Darlingを知ったのか。それは、同じくスイス出身のマルチミュージシャンFredy Schnyderによるネオフォーク・エクスペリメンタルメタルバンドNucleus Tornにボーカリストとしてアンナ・マーフィーが参加していたからです。

Nucleus Tornについては、アーティスト紹介記事をご覧ください。↓

Nucleus Torn: アーティスト紹介

私は最初Nucleus Tornの音楽だけに興味を持っており、バンドのプロフィールを調べていませんでした。その時は、ボーカルが上手いなと思いながらも彼女が有名人であるとは思いもしませんでした。

後にアンナ・マーフィーという名前を検索してみるとEluveitieがヒットしました。EluveitieはCDショップで見たことがある程度の認識でしたが、やはり驚きました。

アンナは元々Eluveitieのハーディガーディ奏者で、ボーカルも時々務めていましたが2016年に他メンバーへの不満によりEluveitieを脱退しました。

Nucleus Tornは2015年で終結しているので、彼女がNucleus Tornに参加していたのはEluveitie時代ということになります。Nucleus Tornを聴いていた時は彼女がハーディガーディを弾けるなど思いもしませんでした。

Cellar Darlingの特徴はなんといってもアンナがハーディガーディを使っている点でしょう。

説明が遅れましたが、ハーディガーディは伝統楽器であり、種類的には弦楽器に属します。オルゴールのように持ち手を回し鍵を押しながら演奏します。今回紹介する楽曲にはハーディガーディソロが盛り込まれているのでぜひ聴いてみてください。

楽曲レビュー

“Insomnia”は2018年11月1日に公開されたシングルです。

2017年発売の1stアルバム”This Is the Sound”は個人的にピンとこなかったのですが、このInsomniaはアルバムの音楽性から一気にヘヴィ・プログレッシブ方面にシフトしていて、聴いていて面白かったので気に入りました。今回ブログで紹介している理由もそれです。

サウンドが複雑で凝ったものになっているだけでなく、歌メロはキャッチーなままにしたり歌詞に言葉遊びを入れたりすることでレベルが上がっています。

ハーディガーディソロの部分などは本当にがっつりメタルになっています。今までのCellar Darlingは少しポップ感が強すぎると感じていたのでこの音楽性は大歓迎です。

少し難解にしすぎた感もありますが、アルバムの個性が弱かった(聴き込んではいませんが何回か通して聴いた印象です)こともありここまでやってくれた方が良いと思います。

Cellar Darlingを知っているようなリスナーには聴くものが他にもいっぱいあるでしょうし、その中でCellar Darlingを聴こうかな、と思わせるほどの印象の強さが大事だと思うので。

私はこの曲を聴いて、これから発表されるらしいアルバムに注目してみようという気になりました。アルバムの前にシングルがまた発表されると思うので、見逃さないようにしようと思います。

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