イギリスのミュージシャンSteven Wilsonのアルバム”Hand. Cannot. Erase.”(2015)に収録されている楽曲“Hand Cannot Erase”のレビューです。
Steven Wilsonについて
Steven Wilson(スティーヴン・ウィルソン)はイングランド生まれで、イギリスのイメージにおける薄暗い部分の代表のようなアーティストです。
プログレッシヴロックバンドPorcupine Treeでの活動が知られますが最近はソロ活動が盛んで、それだけでなく今まで数々のバンドやプロジェクトに参加しています。私はPorcupine Treeとソロくらいしか聴いたことがありません。
これだけでもかなり忙しそうな人だなーという印象を受けるのですが、さらにプロデューサーをしたりプログレッシヴロックの重要作品のリマスターをしたりもしています。
子供のころから自室をスタジオに仕立てて音楽を作っていたそうなので、それもあって演奏できる楽器が多くオーディオ系のスキルも高いのかなと思いました。
Porcupine Tree
私はこのバンドが結構好きです。どのアルバムもというわけにはいきませんし作品自体が多いのでそれぞれの聴き込みには自信がありませんが、ジャンルにこだわらない薄暗系の音楽というのは好みです。
メタル系のサウンドも取り入れていますがクールな雰囲気の中で処理されているので私でも大丈夫でした。
7枚目(?)の”In Absentia”以降の作品を聴くことが多く、”Fear of a Blank Planet”収録の楽曲”Anesthetize”は特に好きです。
ソロ
私がこれまでに聴いたのは3作目の”The Raven That Refused To Sing”(2013)とそれに続く“Hand. Cannot. Erase”(2015)です。後者の方が好みでした。
2017年8月18日発売(これを書いているのは2017年8月17日です)の最新作”To the Bone”ですが、現在出費を抑えなければいけない状況なので今のところ購入予定が立てられません。
2018年2月17日にポーランドのZabrzeという街でライブをするそうで、近場なので行けそうであれば必然的に予習として聴くことになるでしょう。
※2017/8/25追記: “To the Bone”購入しました。紹介記事を書けるよう聴き込んでおきます。
楽曲のレビュー
“Hand. Cannot. Erase.”のタイトル曲“Hand Cannot Erase”は、演奏時間も短くかなりライトな感触の楽曲です。しかしそんな曲を9拍子で作ってしまうSteven Wilsonには驚きました。
ボーカルパートの間などに何度か入る密度の高いパート(ドラムが変則的になる部分です)がアクセントになっていて、単調さも感じさせません。プログレらしい大曲ではありませんが、凝った造りになっているのである意味プログレらしいと言えるかもしれません。
最後に
見た目のせいもあってかプログレ界の若手というイメージの彼も、もう50歳を迎えようとしています。プログレッシヴロックの後継者Steven Wilson自身にも後継者が現れプログレ界を活性化させてくれればいいなと思います。