Gyvata: “Dolijuta” 楽曲レビュー

リトアニアのネオフォークバンドGyvataのアルバム”Broliai Karelin Jojo”(2010)に収録されている楽曲“Dolijuta”のレビューです。

Gyvata “Dolijuta”

Gyvataリトアニアの大人数フォークグループです。

私はリトアニアフォークを聴きながらもこのグループは長い間聴かずにいましたが、他の楽曲をたまたま聴いて気に入ったのがきっかけでリトアニアに行った際GyvataのCDを買ってきました。

“Dolijuta”は2010年に発売されたPragnavitというグループとのスプリットアルバム“Broliai Karelin Jojo / Ad Gloriam”(Ad GloriamはPragnavit側のタイトル)に収録されています。

Gyvataはその後2012年に”Su Vėjužiu Kalbėjau”, 2017年に”Išvandravau”というアルバムを発表しました。どちらのアルバムも素晴らしいです。

なお”Broliai Karelin Jojo”と”Su Vėjužiu Kalbėjau”は後に1枚のCDにまとめて2017年にリイシューされました。タイトルはそのまま”Broliai Karelin Jojo, Su Vėjužiu Kalbėjo”です。

楽曲のレビュー

この楽曲はリトアニアの古い民謡が基になっていて、歌は単純なメロディの繰り返しですが現代的にアレンジされていることによって聴きやすくなっています。これはリトアニアのフォークグループが頻繁に利用している手法で、Gyvataの楽曲もほとんどがこの方法で作られています。

フォークミュージックらしい音作りによって懐かしさと安心感を得られるイントロ、多人数による深みのあるコーラスなど、リトアニアフォークの魅力が詰まった楽曲で、Gyvataの作品の中でも特に気に入っています。Gyvataに限らずとも私のお気に入り楽曲の中に入ります。

楽曲自体は7分超と少し長いのですが、後半になるとアレンジが突然エレクトリックで豪華になります。ここまでくるとフォークというよりはへヴィなロックバンドのようなサウンドと言えますが、その中に民謡そのままのボーカルが入るだけでオリジナリティに溢れた音楽になっています。この二つの要素が全く矛盾することなく調和しているのにも感心しました。

このパートがあることによって前半部分とのギャップや盛り上がりが生まれていて、一つの楽曲としてより楽しめるものになっています。Gyvataの楽曲を全て見ても、このように静かで味のあるパートからへヴィなパートまで振れ幅があるものが一番面白いです。

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