ハンガリーのペイガンフォークユニットThe Moon And The Nightspiritのアルバム”Ősforrás”(2009)収録の楽曲“Hétvilág”のレビューです。
※この記事は2017年11月に書いた記事を一部変更したものです。
The Moon And The Nightspiritについて
The Moon And The Nightspiritはハンガリーの二人組ペイガンフォークユニットです。
以前はハンガリーのフォークといえばこのグループしか知らなかったので、ハンガリーの首都であるブダペストに旅行した後様々なフォークを聴いてみました。しかし、その中でもこのThe Moon And The Nightspiritは別格という感じがしました。
ワールドミュージック界で名高いというNapra(レコードショップ巡り中に知りました)も面白かったですが、個人的にはThe Moon And The Nightspiritの方が元々の私の音楽の嗜好に近いかなという気がします。Napraの音楽も衝撃的だったのでいつか紹介したいです。
2017年10月24日にブダペストでThe Moon And The Nightspiritのライブがあったのですが、この日程ではブダペストに行けなかったので悔しさのあまり会場を撮ってきました。
12月にもライブがあるのですが、他の予定が入りそうなのと会場がハンガリーの首都でなく地方都市という理由でまた行けないということになりそうです。留学が終わるまでにはチャンスが来れば良いなと思っているのですが。
※追記: 2018年2月22日にポーランドのビェルスコ=ビャワでライブを観れました。
Dürer Kert(デュレル・ケルト)です。
楽曲レビュー
曲名は“Hétvilág”(ヘートヴィラーグ)。この楽曲が収録されているアルバムは”Ősforrás”(エーシュフォッラーシュ)です。
冒頭から5, 5, 5, 4という変拍子に乗せた印象的なバイオリンリフで攻めてきます。この曲を知って一番最初に記憶する部分はこのリフだと思われます。
そのバイオリンとボーカルを兼任するÁgnes Tóth(アーグネシュ・トート)が歌う旋律は、美しいというよりも民謡的、儀式的な独特の表情を帯びています。
このボーカルの雰囲気は他の楽曲にも当てはまることですがこの曲の場合はテンポも速めなので、神秘的ながらも聴いていて癒されるような楽曲が多い中この”Hétvilág”はそれらと一味違った印象です。
中盤には1分近くに及ぶかなりアグレッシブなバイオリンソロが用意されており、この曲の主役はバイオリンといっても良いかもしれません。なお私はこのソロから急に最初のリフに戻る部分が好きです。
全てを聴いたわけではありませんが、The Moon and the Nightspiritの作品には意外と変拍子を取り入れた曲が少ないようです。しかしこのHétvilágではその変拍子がとても活きているように思います。
フェスでのライブ映像を観てみるとThe Moon and the Nightspiritの音楽に乗せて不思議な踊りをしている観客がかなり多数いたのですが、”Hétvilág”の時はどうするのでしょうか…