イギリスのプログレッシブロックバンドGenesisのアルバム”Foxtrot”(1972)に収録されている楽曲“Time Table”のレビューです。
Genesis “Time Table”
Genesis(ジェネシス)はイングランド出身のロックバンドで、特に初期はプログレッシブロックに分類される作品群を発表して高く評価され、その後はポップに転向して商業的成功を収めました。
“Time Table”は1972年に発売された4thアルバム“Foxtrot”(フォックストロット)の収録曲で、この頃は初代ボーカリストのPeter Gabrielが所属しておりバンドはプログレッシブロックを演奏していました。
“Foxtrot”は傑作アルバムで、オープニング曲の”Watcher of the Skies”や最後に置かれた大曲”Supper’s Ready”はGenesisの代表曲として人気です。私のお気に入りアルバムでもあります。
私はレコードもレコードプレーヤーも持っていないのですが、このアルバムは幸運にもレコードで聴くことができました。ポーランドで友達の家にお邪魔した時にその友達のお父さんが70年代プログレのレコードをたくさん持っていて、私のために6年ぶりにレコードプレーヤーを動かしてくれたのです。
音楽を生でレコードを聴いたのはそれまで元MarillionのFishのコンサートに行ったときにロビーで”Misplaced Childhood”が流れていた時だけで、その時は人がたくさんいてじっくり味わえませんでした。そのため落ち着いた空間で初めてレコードを聴けたのがこの”Foxtrot”を聴いた時ということになります。
楽曲レビュー
“Time Table”はGenesisのプログレ期の楽曲であるにも関わらず割とスタンダードな曲です。演奏時間は5分以内に収まっており曲調もバラード系なので、プログレファン以外にもお勧めできるかなと思います。
この曲の魅力はPeter Gabrielの特徴的な声で歌われる味のあるメロディです。私はこれを聴くと安心感を覚え、無意識ながらもプログレが栄えた70年代に思いを寄せてしまいます。私はこの時代に生きていたわけではなくそもそも日本人なので当時イングランドの人々が何を思って生きていたのかはわかりませんが、なんとなく懐かしさを覚えます。
そういえばこのレコードをかけてくれた友達のお父さんは、当時の共産主義政権下のポーランドで西側の製品であるレコードを買うのは大変だったと語ってくれました。 イギリスの社会はまた違った状況だったでしょうが、リアルタイムで聴いていたヨーロッパのリスナーのお話を聞くというのは貴重な経験でした。