Siela: “Ilguma. Platuma” 楽曲レビュー

リトアニアのゴシックロックバンドSielaのアルバム”Širdis. Kryžius. Pasaga”(2015)収録の楽曲“Ilguma. Platuma”のレビューです。

Sielaについて

このロックバンドを知っている方はいらっしゃるのでしょうか。ネットでこのバンドについて日本語で書かれたものを探しましたが一つも見つかりませんでした。全て説明したいところですが、実は私もよく知りません。

Siela(スィアラ)はリトアニアのゴシックロックバンドで、男性4人組です。なんとフォークロックバンドPievosのギタリストKostas Kriaučiūnasも在籍しています。これは記事を書くためにクレジットを調べていて知りました。ゴシック系で男性ボーカルのバンドは少なめですが、私はそういうのが好みです。

1990年から活動しているらしいのですが本当に日本では知名度がなさそうです。この曲の動画の再生回数は万単位なのですが…

世界的に有名なアーティストがほとんどいないリトアニアではそれなりに有名なのかもしれません。

私がSielaを知ったのは2017年頃で、どうやって知ったのかまでは覚えていませんがインターネットで自分で見つけました。

留学ついでにリトアニアに行ったらCDを買おうと決めていたので、首都ヴィリニュスにあるショップRagainėでオリジナルアルバム2枚とEP1枚を購入してきました。

楽曲レビュー

この曲は割とストレートにかっこいいロックで、特にギターのリフが耳に残ることと思います。ボーカルはこのビデオでは歌だけを歌っていますが、ライブ映像を見るとギターも弾いていました。

ボーカルのタイプは高音域の迫力よりも声質で勝負するタイプで、ロシアのロックバンドLumenのボーカルに通ずるものを感じました。

ゴシックロックというと聴く人が限られるイメージがありますが、実際にSielaのアルバムを2枚聴いてみた感想として、そこまで音楽的に極端なバンドではなくオルタナティブロックとして十分聴けるなと思いました。

誰にでも受ける実力があるかは謎ですが、これなら少し翳りのあるものが好きな普通のロックファンにも受け入れられるはずです。リトアニア語で歌うアーティストは有名になれないという法則でもあるのでしょうか。

この曲は”Širdis. Kryžius. Pasaga”というアルバムの1曲目に収録されています。私がもう一つ面白いなと思った点は、このアルバムのアートワークです。

白黒に近い地味な配色で、心臓・十字架・馬蹄の絵が並んでいます。遠くから見ると”I ♥ U”と書かれているように見えなくもありませんが、実は「心臓・十字架・馬蹄」をリトアニア語で表すと「Širdis・Kryžius・Pasaga」なのです。

これらの3つのものを選んだ意図まではわかりませんが、意図的だとしたら少し奇妙ながらも面白いアイデアだと思いました。

まとめ

出身国自体のネームバリューが弱いとバンドはいつでも不利ですが、そういうところから良い音楽を見つけたときの喜びは格別です。今回はSielaを紹介しましたが、皆さんも自分の趣味に合うものを探してみてください。

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