Gyvata: “Smūtnas” 楽曲レビュー

リトアニアのネオフォークグループGyvataのアルバム”Išvandravau”収録の楽曲“Smūtnas”の紹介です。

Gyvata

Gyvata(ギヴァタ)はリトアニア出身のネオフォークグループです。海沿いの街クライペダ(Klaipėda)のバンドです。私はリトアニアに何度か行ったことがありますが、クライペダには行ったことがありません。

2000年代から活動していて、リトアニアネオフォーク界のリーダー的存在であるDonis(ドニス)によって結成されました。私はDonisのファンではないのですが、Gyvataの音楽は大好きでよく聴いています。

優秀なグループが多いリトアニアネオフォークシーンでも特に民族音楽的な響きを大事にしているバンドです。

Išvandravauというアルバム

Gyvataが今までに発売したアルバムは3枚。1枚目がPragnavitというグループと共同のスプリットアルバム”Broliai Karelin Jojo”(2010), 2枚目が2012年の”Su Vėjužiu Kalbėjau”, 3枚目が2017年の”Išvandravau”です。

この”Išvandravau”ではフォーク色の強かった最初の2作に比べてバンドサウンドの割合が多くなっています。Gyvataならではの個性が後退していると捉えることもできるのですが、実際に聴いてみるとやはりGyvataらしいなと思わされるような音楽です。

最初の2枚は入手困難ですが、その代わりこの2枚を1枚のアルバムにまとめた作品が出ているので私はそれをリトアニアで買いました。この3枚目もその時に買いました。リトアニアに行かなくても首都ヴィリニュスにあるエスニックショップRagainėが通信販売で取り扱っているので購入することができます。

今回はこのアルバムからの曲を紹介してみます。

楽曲レビュー

ドラムのタムの音が重厚に、そして意味ありげに響く中、恐らくリトアニア民謡を元にしているであろうメロディが反復されます。

この単純なボーカルフレーズの反復はGyvataの音楽の特徴で、これはリトアニアの民族音楽であるSutartinėの様式の踏襲です。

後半はまるでメタルのような低音のディストーションギターが奥で鳴っていて、少し不気味な雰囲気になっています。これはGyvataにとって新しい音というわけではありません。Gyvataのこれ以前の作品でも、盛り上がる曲では大胆なディストーションギターが効果的に使われています。

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