ロシアのロックバンドLumenのアルバム”Хроника бешеных дней”(2016)収録の楽曲“Голоса Мира”のレビューです。
ごめんなさい。キリル文字です。ロシア文字と呼ばれることもありますが、ロシア語だけのものではないので正確にはキリル文字です。この文字を知らない方も音楽を聴くことはできるので諦めないでくださいね。
“Голоса Мира”
Lumen(ルーメン)は光の単位でしょうか。ただバンド名をЛюменとロシア語表記することもあり、こちらは「リューメン」ですね。ロシアのファンがどちらで呼んでいるかはわかりません。
曲名の“Голоса Мира”は「ガラサー・ミーラ」と読み、「平和の声」を意味していると思われます。
ロシア語ではмирという単語に「世界」「平和」の二つの意味があり、Миру мир!(世界に平和を!)という素敵な言葉遊びができます。この曲は反戦を訴える歌詞なので平和の方の意味で解釈しました。
мирという単語のはずなのにмираになったりмируになったりしていますが、ロシア語なので仕方がないです。
Lumenの楽曲としては異質なヒロイックな雰囲気を持ち、ミュージックビデオも冬服のボーカルを中心に据えて同時にロシアの広大なイメージを表現しているのが良いですね。冬のロシアでは外出時に頭部を寒さから守るための帽子が必須だそうです。
この動画では英語字幕で歌詞が見れるので、英語がわかる方はぜひ。しっかりメッセージを持っている曲です。
ライブ映像はこちらです。
Lumen
Lumenはロシア中部の大都市Уфа(ウファー)出身の4人組ロックバンドで、1998年から活動しています。ボーカルが専任のためスリーピースバンドに近く、最近はハード路線に大幅なシフトを行いました。
私はГолоса Мира収録のアルバムを購入しましたが、激しい曲がほとんどなのでわずか40分強のアルバムであるにも関わらず意外と疲れます。それでも普段激しい音に慣れていれば問題ないでしょう。
楽器が3人のためあまり厚い音は使えませんが、演奏も問題ありません。ボーカルはこういう音楽性のロックバンドで専任しているのが信じられないほど高音域が苦手ですが、とても個性的な声を持っているためこの人でないと成り立たないのではないでしょうか。
最後に
ロシアのロックは世界的にあまり評価が高くないようでおまけに文字が厄介ですが、お気に入りのバンドを探しに冒険してみるのも面白いと思います。