リトアニア旅行記: ヴィリニュス観光1回目

バルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)のうち一番南に位置する国リトアニア。その首都であるヴィリニュスは、私が何度も訪れた場所です。

しかし、今までヴィリニュスでの記録をブログにまとめていませんでした。そもそも、リトアニアについてあまり書いていなかったように思います。そこで、これから書いていくことにしました。今回は最初のヴィリニュス訪問の時の記録です。

訪問都市: Vilnius (ヴィリニュス)
訪問時期: 2017/3/2-6

リトアニアに来た理由

まずここからお話ししましょう。私は音楽の好みで旅行先を選ぶという変わった趣味を持っているのですが、リトアニアにはAistė Smilgevičiūtė ir Skylėというフォーク系のグループがいます。

このグループを知ったのは2015年の11月だったと思いますが、このグループの音楽と世界観に魅了され、彼らが生まれ育った国であり音楽のインスピレーションであるリトアニアを一目見てみたいと思うようになりました。

私はちょうど初めての海外旅行としてポーランド一人旅を計画していました。ポーランドが好きでポーランド語もわかるからです。偶然リトアニアはポーランドの隣にあるため、行かない手はないということで旅行中に首都のヴィリニュスに寄ることにしました。2017年3月のことです。

3月2日

ポーランド・ワルシャワを午前8時くらいに出たと思います。LuxExpressというエストニアのバス会社のバスを使いました。ヴィリニュスまでの所要時間は8時間以上です。運賃は2000円くらいではなかったかなと思います。

移動時間は長くなりますが、バスの車内がかなり快適でしかも安いので、ポーランドからリトアニアに行く時は毎回このバスを利用しています。

リトアニアの方が時刻が1時間進んでいるので、着いたのは17時台だったと思います。3月ということですでに暗くなっていて、さらに大雨が降っていました。右も左もわからないまま大きなスーツケースを引きずり、道に迷いながらもホテルに着きました。

3月3日

この日はまず近郊のトラカイ(Trakai)に行きました。リトアニアの旧首都で、素敵なお城があることで有名です。ヴィリニュスに帰ってきたのは午後です。

3月3日から5日までは毎年恒例のイベントKaziuko mugė(カジュカス祭)が開催されていました。リトアニア中から、そして国外からもお店が集まって、露店を構えて民芸品や伝統料理を出品するフリーマーケットのようなイベントです。私はこれにリトアニア旅行の日程を合わせました。

実は3月4日が私の誕生日なので、誕生日をリトアニアで迎えるという幸運にも恵まれました。誕生日には偶然にも素晴らしいサプライズが起こることになります。それについては記事のもう少し先で話しましょう。

これはヴィリニュスの鉄道駅です。首都の鉄道駅にしては小さいですね。このあたりは鉄道があまり発達していないので、そのせいかもしれません。

お祭りが行われている場所を目指します。

このピンクに近い色をした建物は聖カジミエル教会です。ヴィリニュスには教会がたくさんあります。

カジュカス祭の模様です。真ん中に写っているのがカジュカスという人の人形で、人々が歌を歌いながらこの人形を運んでいました。

お祭りは大賑わいで、どこも人ごみになっていました。みんな楽しそうにしていて、騒がしい場所が苦手な私も嬉しい気持ちになりました。

これは旧市庁舎だと思います。

お祭りの様子がここにも写っていました。

3日間ヴィリニュスは天候に恵まれませんでしたが、それでも活気が感じられました。

これはヴィリニュスを流れるネリス川(Neris)です。

川の向こう側に見えるのは新市街です。モダンな高層建築が建ち並んでいます。歴史ある建物で埋め尽くされた旧市街とはまるで別世界のようです。ヴィリニュスを観光する際は、旧市街が中心になります。

橋の上からの景色。

新市街にはEuropaというショッピングモールがあります。ヴィリニュスのショッピングモールはほとんど新市街側にあるので、旧市街ばかりを歩いていると縁がないかもしれません。ここで日本食レストランを見つけたので撮ってみました。最上階にあります。

この日はカジュカス祭のお店を見て回りました。様々な商品があり、お金さえあればいくらでも買いたくなりそうです。

ここは先ほど言及したAistė Smilgevičiūtė ir Skylėの前身であるSkylėが1995年にコンサートを行い“Šv. Stepono 7”というアルバムが生まれた場所です。住所はŠv. Stepono 7。これは当時手入れが全くされず廃墟同然となっていたこの通りに行政の目を向けさせるために行われたコンサートでした。

これは民芸品を扱うお店で買ったCDです。Pievosというリトアニアのフォークロックバンドの作品です。リトアニア発のフォークロックバンドの中でもレベルが最も高いものの一つなのでおすすめです。

これはお祭りで買いました。リネンを扱うお店で買ったのですが、これはリネンでできたバッグです。ハリネズミの模様が可愛いですし手作り感があって好きです。リトアニアはリネンで有名なのです。

これは食卓用のクロスです。これもリネン系の露店で買いました。私の母親がヨーロッパ系の可愛い雑貨のファンで、リネン製品を欲しがっていたのでお土産の一つとして選びました。何枚も入っていたので他の親戚にも配ることができました。

これは手作り小銭入れです。デザインが気に入ったので買ってきました。

これはウクライナ人の露店で買ったリスです。

3月4日

誕生日がやってきました。一人旅の最中で誰も祝ってくれませんが、旅行しているので幸せです。

この日もカジュカス祭が続いています。

これは聖アンナ教会です。こういう建築様式は好きです。ヴィリニュスで最も立派な教会の一つです。

大統領官邸前です。laisvėは「自由」を意味します。

 

大統領官邸の建物です。

これは聖ミカエル教会です。

これは聖三位一体教会。ここまで見ただけでもヴィリニュスが教会の街であることがわかると思います。

再び鉄道駅。

昼間にもう一度Šv. Stepono 7を訪れました。

お昼ご飯はどうしようか迷ったのですが、結局ネリス川の近くにあるウズベキスタン料理店に入りました。ウズベク風ピラフを注文し、サラダもついてきています。

これはウズベク風のお茶です。500mlあったので後からトイレに行きたくなりましたが、おいしかったです。

遠くに見えるのはゲディミナスの丘です。ヴィリニュスに首都を移した14世紀の王ゲディミナスがお城を建てたのがこの丘で、今では塔のみが残っています。

この日も天気はあまり良くないですね。

新市街の入り口にある通り抜けできる建物の中にこんなものがありました。

この日はヴィリニュスをぶらぶら散歩した後、誕生日ディナーをすることにしました。Lokysというレストランです。

まずはリトアニアのビールを頼んでみました。ビールは好きではないので普段飲まないのですが、これはまあまあ飲めました。

これがメインです。イノシシのステーキです。それによくわからない付け合わせがありました。美味しかったです。

なんとなく量が物足りなかったので、おつまみを頼みました。サラミ、揚げチーズボール、豚耳(?)、そしてカリカリに焼かれた黒パンです。美味しかったですが、ここまで食べるとお腹がきつくなりました。イノシシが少なかったので、まさかこれだけの量が出るとは思わなかったのです。

おしゃれな雰囲気のレストランで夕食を済ませて満足げにホテルに戻りました。そして、以前から連絡を取っていたAistė Smilgevičiūtė ir Skylėのスタッフに「ヴィリニュスに来ました」と何気なくメールを送りました。ヴィリニュスを実際に見た感想を添えてです。

するとすぐに返信が来ました。今晩ヴィリニュスでIr Visa Tai Kas Yra Gražu Yra Gražu(リトアニアのバンドです)のライブがあるから観に行ったらどうだ、Aistė Smilgevičiūtė(バンドのボーカルで、世界的に見ても私のお気に入りのボーカリストです)がそのライブを観に行っているからそこで会えるかもしれない、とのことでした。

ライブは既に始まっていたので、私はすぐに再び出かける用意をしてライブ会場に駆け込み、ライブ後にAistėと会いました。誕生日のサプライズとしてこれ以上のことはないでしょう。憧れのミュージシャンと直接話せたのです。一緒に写真も撮ってもらいました。

なお、このライブのレポートはこちらに載せています。↓

IVTKYGYG ライブレポート 2017.03.04

会場の様子です。

なおこの日はカジュカス祭に関係した少人数のパレードに出くわしたのですが、そのパレードを追いかけながら動画を撮っていたら隊列の中の一人が私に駆け寄り、聖水をかけてくれました。その時にプレゼントとしてもらったのがこちらです。

この日は興奮して寝れず、一日の感想を携帯のメモにまとめました。

3月5日

ヴィリニュス観光3日目です。まだカジュカス祭は続いていますが、これが最終日でした。

この日はヴィリニュス市内を気ままに散歩しました。まずは昼食としてリトアニアの伝統料理であるツェペリナイを食べられるレストランに行きました。

これはベリー系のジュースです。美味しかったです。

これがツェペリナイです。じゃがいもからできているのですが、モチモチしています。そして中には肉が詰め込まれています。ソースはサワークリームです。

これはレストランの内装です。おしゃれながらもリトアニアの素朴な感じが出ています。

テーブルです。

このレストランです。Senoji Trobelėという名前です。

ヴィリニュス市内の様子です。バスが写っていますが、私はヴィリニュスの公共交通機関を利用したことがありません。

お茶が売られているようです。

これは東方正教会系の教会だと思います。

ゲディミナスの丘です。このあたりには大聖堂国立博物館があります。

緑の多い広場です。赤屋根の建物は国立博物館です。

これは三つの十字架の丘です。ゲディミナスの丘の隣の丘の上に立っていて、ヴィリニュスのシンボルの一つとなっています。シャウレイにある有名な十字架の丘とは別物です。

三つの十字架の丘に登る坂道は急ですが、これを上るとヴィリニュスのパノラマが見渡せます。

天候があまりよくなかったのであまり良い景色には見えませんが、ヴィリニュス全体が見えます。赤屋根が多いですよね。

これが三つの十字架の丘の名前の由来になっている十字架です。

好きなだけ景色を楽しみました。

この後お祭りに参加して酔っぱらったリトアニア人の若者二人に愛想よく絡まれ、一緒に散歩しました。この人たちは大聖堂の中まで連れて行ってくれました。私は一人で教会に入る勇気があまりないので、助かりました。

大聖堂は白く、ヴィリニュスの建築を象徴するようです。

夕食はウクライナ料理店で食べました。この肉は七面鳥です。

遠くで光る三つの十字架。

ゲディミナス塔です。この時は丘に登れませんでした。

ヴィリニュス遷都の伝説に登場するシュヴェンタラギスの丘。それにまつわる名前の通りです。

これは燻製チーズです。エストニアのお店から買ったと思います。私の大好物で、ポーランドでも食べられます。

3月6日

この日は2日前にメールでやりとりしたグループのスタッフがヴィリニュスまで来てくれました。初めて会ったことになりますが、メールの時と同じような親切さでした。私は午前中にポーランド・ワルシャワ行きのバスを予約していたのですが、それに間に合うように車で連れまわしてくれました。

まずは伝説に登場する「シュヴェンタラギスの丘」にあたる場所に連れて行ってくれて、そのあとヴィリニュス郊外にある最新アルバムの収録場所(最新アルバム”Dūšelės”はライブ録音で、森の中で行われたコンサートの模様がそのままCDになっています)に連れて行ってくれました。

これがその場所です。コンサートの時にはこの木が装飾されて光っていました。以下の動画でその模様を見ることができます。そして、ここで1度目のヴィリニュス観光記は終わりです。

 

 

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