ポーランド各都市訪問記: Wałbrzych(ヴァウブジフ) クションシュ城

訪問都市: Wałbrzych (ヴァウブジフ)
訪問時期: 2018/5/5

ポーランド南西部にありポーランドで三番目に大きい城「クションシュ城」がある街ヴァウブジフの訪問記です。

Wałbrzychについて

Wałbrzychはヴロツワフを県都とするWojewództwo Dolnośląskie(ドルヌィ・シロンスク県)の街で、人口は11万人超(2017年)とポーランドの街にしては大きめです。

WałbrzychはKsiąż(クションシュ城)で観光客に知られており、この城はポーランドで三番目の大きさを誇る立派なものです。

ヴロツワフからはKoleje Dolnośląskie(ドルヌィ・シロンスク鉄道)という地方鉄道で1時間程度。この鉄道は設備面で充実していますが、その分切符も高いです。私がヴロツワフから行ったときは片道14zł(当時のレートで約430円)程度だったと思います。

訪問の経緯

私は次のようないきさつでWałbrzychに行くことになりました。

当時はmajówkaというゴールデンウィークと同じ時期にあるポーランドの連休中でヴロツワフに滞在しており、彼女と一緒にジェロナ・グラなどに旅行して休暇を満喫していました。

彼女が実家に帰省しなければいけないということで私も5月4日に留学先であるカトヴィツェに帰る予定だったのですが、私のカトヴィツェの寮のルームメイトから「今寮に彼女来てるから今日じゃなくて明日帰ってきて!頼む!」という図々しいメッセージが来たので私はヴロツワフに一日長く残ることにしました。

彼女がヴロツワフにいればタダで泊まれるのですが、帰省してしまうのでお金を出して市内のホステルに泊まらなければなりません。少しの不満を覚えながらも、ヴロツワフ近郊を観光するチャンスだと捉えて行き先を探しました。

ちょうどWałbrzychがヴロツワフの近くにあり、クションシュ城の評判を以前から聞いていたこともあって5日にお城を観に行くことにしました。

ちょうど携帯が壊れていたので、4日のうちにヴロツワフ市内で新しい携帯を買ってから休息をとり、5日に朝からWałbrzychに行ってそのままヴロツワフからカトヴィツェに帰るという計画です。

ルームメイトはこの後も幾度となく同じ手口で私をカトヴィツェの寮に帰らせまいとしましたが、ルームメイトが私の住んでいる部屋に彼女を泊めるために私が自腹でホステルに泊まらなければいけない理由はないのでこのような要望に応えてあげるのはこれっきりでやめました。

ちなみにいつだかこういう会話もありました。

私「ホステル代さえ出してくれるならいつでもカトヴィツェ帰るの延期してあげれるんだけど」
ルームメイト「いや、お金ないから無理だよ」
私「ところで、いつも彼女の方がカトヴィツェに来てくれてるみたいだけど自分で彼女の住んでる街に行くのは無理なの?」
ルームメイト「彼女が相部屋に住んでるからホステルに泊まらないといけなくて、部屋狭いし暑いし一泊20złかかるし、ホステルに20zł払うくらいなら一週間分の食料買うわ」

呆れるような理論です。しかもヴロツワフの方が宿は高いです。もしかすると日本人にはお金持ちというイメージがあってそこにつけこもうとしていたのかもしれません。

到着

話をWałbrzychに戻しましょう。私はWrocław Główny(ヴロツワフ中央駅)から電車に乗り、Wałbrzych Szczawienkoという駅で降りました。Wałbrzychにはいくつか駅があるのですが、私がここで降りたのはお城に最も近そうだったからです。

駅周辺。新しい携帯を買ったのでそれを使っていたのですが、カメラのレンズのところに青い保護シートが貼られていることに気付かずにいたのでこの時の写真は全て青みがかっています。当時はこの携帯のカメラの色合いがこういう特徴を持ってるんだろうななどと思っていました。

この街に着いたのは10時過ぎですが、お城の見学が長くなるとカトヴィツェに帰るのが遅くなってしまいそうなのでそのままお城へ向かいます。

Wałbrzychは人口が多いだけでなく広いです。私が歩いていたのは中心街ではないので建物は少なめでした。

 

完全に郊外です。お城があるのは街の外れの方なので、ここまで20分は歩いたと思います。お店はあまり見当たらず、お腹が空くと困ると思ったので見かけたお店でエクレアを買って食べました。

このあたりにお城への道を知らせる看板があったので通りを外れていきました。お城はKsiążański Park Krajobrazowy(クションシュ風景公園)という公園の中にあり、周りは自然に満ちています。

クションシュ城

お城への道のりが始まりました。

素晴らしい田舎の風景です。

ここからお城までも少し歩かなければなりません。道は舗装されていませんでした。

自転車を押す男性が写っていますが、私はこの人に話しかけられました。この県に住んでいるおじいさん(町の名前は忘れました)で、かなりの歳に見えましたがいつも長距離サイクリングをしているそうです。

毎年一度はクションシュ城に来るらしく、この日より少し前にお祭りが行われていたことなども話してくれました。

「俺は何十年も前から毎年ここに来てるが、数十年前はクションシュ城も全然観光地として栄えてなかったし、ここら辺は荒れ放題だった。最近行政が頑張って城周りを綺麗にしたおかげで今では観光客がたくさん来るようになったんだ」と言っていました。

この門の先はお城の敷地です。短い道のりではありませんでしたが、おじいさんは徒歩の私と同じペースで行ってくれました。

お城に着く前に横道があるのですが、そこを進むとクションシュ城を眺望できるスポットがあります。かなり歩きにくい道で一歩間違えるとケガをするような場所だったので私は一人で行きました。

これがクションシュ城。この携帯だと何枚撮ってもぼやけるなーと思っていたのですが、それはもちろん保護シートのせいです。もったいない。建築は素晴らしいですね。

道に戻るとなんとおじいさんは待ってくれていました。

入り口が見えてきました。

手入れされていて綺麗な場所です。

この白い建物の先はいよいよお城で、チケット売り場が右手にあります。この時点で11時過ぎでしたが、私は30分も並びました

おじさんは先に並んでおけと私に言って自転車を停めに行ったので私は一人で並んでいました。ちょうど列の形の関係でかなり後ろに並んでいるおじいさんが近くに来た時に声をかけてみると、俺を待たなくていいから先に城を見てこい、ということだったのでおじいさんとはここでお別れです。

なお、チケットは高いです。まずガイドあり・なしを選び、次に見学範囲を選びます。城+テラス+ヤシの木園(街中にあります)、城+テラス+ヤシの木園+厩舎、テラス+ヤシの木園の三種類があり、私は城+テラス+ヤシの木園を選びました。30zł程度払った記憶があります。

今インターネットでオンライン購入のページを見ていますが、ここでは私のものと同じチケットは34złとなっています。高いと言っても、日本円にすると1000円くらいなので買える値段ではないでしょうか。

城の中も今回は写真で紹介しませんが素敵です。城内については別の独立した記事で紹介します。

城とテラスが見たいだけでヤシの木園に行く予定はありませんでした(そもそも3日前にジェロナ・グラでヤシの木園に行きました)が、どうしてもヤシの木園のチケットはついてくるようです。

お城の前には小さな通りがあり、レストランなどが並んでいます。

お城の入り口側からの姿と、その正面にある庭園です。

左右には森が広がっています。

庭園の美しさには驚きました。

城見学後

お城の内部の観光は50分程度で終えました。しかし私はその日のうちにカトヴィツェに帰らなければいけないということでかなり急ぎ足で回ったので、そうでなければ内部だけで2時間程度かかると思います。

テラスに出ました。天気のおかげで気持ち良かったです。

どうでしょう。建物内にもいかにもお城といった豪華なお部屋がたくさんあって感動しましたが、テラスもこの上なく上品です。

様々な植物が植えられています。

圧倒的なお城のスケール。

お城の外観です。フレームに収めるのが大変でした。

お城自体にあまり興味がない人でも、テラスは楽しめると思います。

かっこいい…

最初の場所に戻って来ました。お城を後にします。

私が出た時、来た時よりもチケット購入待機列が長くなっていたので早く来て本当に良かったと思いました。

もう一度展望スポットで写真を撮ってきました。保護フィルムに気付かず、もう一回試してみたら上手く撮れるかもと思ったのです。

帰り道

街に戻る際、おじいさんと歩いて来た行きの時とは別のルートを使ったので違う景色が見られました。

これからヴロツワフに戻りますが、最初に下車したWałbrzych SzczawienkoではなくWałbrzych Miasto(ヴァウブジフ市街駅)から電車に乗ることにしました。

これはバス路線図。駅までは距離があったので乗り過ごさないかビクビクしながらバスに乗りました。

ここからはWałbrzych Miasto駅周辺の写真です。電車はそんなに頻繁に通っておらず、待ち時間が非常に長かったので散歩をしたりお菓子を食べたりしていました。

ここは街の中心部ではないのだと思います。しかし建築は綺麗です。

余談ですが、散歩していると横断歩道で出会った10歳にも満たないような男の子二人に非常に丁寧な言葉遣いのポーランド語で時刻を尋ねられ、驚くと同時に感動しました。

この二軒の建物は可愛いですね。

特に何もすることがなかったので、ただただ歩き回りました。

古き美しき建物。

教会です。

これがWałbrzych Miasto駅。この時から一年以上前に電車で通過したことがあります。

駅のホーム。

この後ヴロツワフ行きの電車に乗りましたが、20分程度遅れてやってきました。どうやら電車の電気系統がダメになってしまったようで走行が非常に遅くなってました。ヴロツワフが終点ではなかったのでヴロツワフで車両交替ということになったのですが、ヴロツワフ到着時点で1時間近い遅れが出ていました。

私はWałbrzych出発前に予約したヴロツワフからカトヴィツェまでの電車に間に合わないことを悟り、しかも次の便が満席になっていたので仕方なくバスでカトヴィツェに帰りました。

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