ポーランド旅行エピソード: 電車の中のスピリチュアル老夫婦

ポーランドの電車に乗っていたらオカルト好きの老夫婦に話しかけられた時の話です。

ポーランドの地方鉄道

2017年2月、当時Wrocław(ヴロツワフ)に滞在中だった私は、この日ちょっとした縁があって人口1000人余の田舎町Krzeszów(クシェシュフ)を訪れ、美しいバシリカを含む聖域を見てきました。

クシェシュフからヴロツワフへ直接移動することはできないため、クシェシュフからそう遠くないSędzisław(センヂスワフ)という駅から地方鉄道Koleje Dolnośląskie(下シレジア鉄道)を利用してヴロツワフへ帰りました。

スピリチュアル老夫婦に遭遇

時間は確か夜の8時台くらいで、乗車時間は1時間ほどだったと思います。コンパートメントタイプではありませんが座席は対面式で、私が乗った何駅か後に老夫婦が向かいに座りました。二人とも60代に見えました。

彼らは座るや否や私の座席下の電源を使いたいと言い、私は二列の席に一人で座っていて電源を片方しか使っておらず断る理由もないので使わせてあげることにしました。

それからは、男性の方は透明な袋に入ったグミのようなお菓子をクチャクチャと音を立てながら食べ、タブレット端末を窓際に置いて何かを見ていました。女性の方はイヤホンで音楽を聴いていて、それに合わせてしきりに指をコツコツと音楽プレーヤーに叩きつけていました。

夜で疲れているのにかなり迷惑な人たちに当たったなと思いながら、携帯で翌日ヴロツワフで何をするかプランを立てていました。

最初20分くらいは無言だったと思うのですが、突然男性が私にグミを差し出し「一ついります?」と言いました。私は食べたくなかったのですが断る方が怖かったのでいただいておき、美味しいと感想を伝えました。ここからこの男性との会話が始まりました。

「君は中国人?」
「いえ、日本人です」
「これは失礼、日本といえば小林ナントカという人を知っているかね」
「いえ、聞いたことないです」

タブレットを見せて説明してくれましたが、小林さんはスピリチュアル系の方だそうです。私の無学がバレてしまいました。

「タブレットで何か見るかね?」
「いえ、あなたのタブレットですからお好きなものをどうぞ」
「ならビデオを見せてあげよう」

男性は謎のウェブサイトを開き(オカルト系のシンボルが見えました)そこにある動画を再生しました。内容は覚えていませんが、それを他人に見せる意図がつかめない不思議なビデオでした。

このあたりで奥さんの方も口を開き「主人は占いが大好きなのよ」と付け加えました。

再び男性。
「それで、私は東洋の占いや超能力にも興味があるんだが、日本には12×5のものがあるだろう」
「”干支”と呼ばれるものだと思いますがそれのことですか?」
「それだと思う。君は20歳かな?」
「よくわかりましたね」

当時本当に20歳でした。外国人の年齢を当てるとは驚きです。

「君の干支は?」
「12種類の中だと子ですがもう片方はわかりません」

タブレットでわからない方を調べてくれました。男性は私の干支の説明を読んで満足気でした。

電車は間もなくヴロツワフに着いて、男性からの握手の求めに応じるとこの夫婦が駅の中に消えていくのを呆然と目で追っていました。


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