ポーランド旅行エピソード: アウシュヴィッツの売店のおばあさんに感謝

2週間以上にわたる初めてのポーランド初滞在で一番窮地に陥った場面のお話です。なぜなら、他に何のハプニングもなかったからです。

アウシュヴィッツへ

ポーランドに行くならナチスの強制収容所があったアウシュヴィッツ博物館(Muzeum Auschwitz)の見学は外せないところです。私はアウシュヴィッツ博物館から近い都市クラクフ(Kraków)に泊まっている間にここを訪れることにし、朝からバスで出発しました。

ここでの失敗は、ホテルのルームキーをフロントに預けずに外出したことです。

上着(だったと思います)の浅いポケットに鍵を入れたままバスに乗っていて、席が高かったのもあり乗っている間にこのポケットに入れていたものが全て落ちていたみたいです。ポケットは窓側の席の窓の方で、後ろには人が座っていなかったと思うので盗難の線は薄いです。

この時は全く気づきませんでした。

見学中に

アウシュヴィッツ博物館の見学を始め、ふとポケットの中を探ってみると鍵が見当たらず真っ青に。

バスがここに到着したのが45分前くらいで、もしバスがすぐに新しい客を乗せてクラクフに戻ると仮定するとクラクフに着くのは20分後くらいです。

もし誰かが鍵を拾った場合、それを見ればホテル名と部屋番号がわかります。つまり、私が宿泊していた部屋に入れることになります。バスでクラクフに着いて10分くらいでホテルに着くはずなので、最短で30分後から危険が発生する計算です。一刻も早くホテルに連絡して部屋の鍵をロックしてもらわなければいけません。

携帯でホテルの電話番号を調べたのですが、携帯から固定電話にかける際の番号の入力方法がわかりませんでした。しかも、この時ポーランドのSIMカードを使っていたのでそもそも電話ができるかわかりいませんでした。誰かに聞いた方が確実だろうと思い、博物館の建物の中に入りました。

アウシュヴィッツ関連の書籍を売っている売店があり、そこの店員さんがあまり忙しくなさそうだったのでポーランド語で話しかけてみました。

この方はお年を召した女性で、英語が話せないらしいのでポーランド語が話せて本当に良かったです。

番号のうちどこから入力すればいいのかなど教えていただき、お店の電話まで貸していただきました。おかげで、無事ホテルに連絡して部屋のカードキー式のロックの磁気設定を変えてもらうことができました。

私は何度も感謝を伝え、それだけでは少し足りないなと思ったので、この機会にお店に売っている本の中から一冊読みやすいものを選んでいただきそれを購入しました。そしてこれが結果的にアウシュヴィッツでの出来事について勉強する機会となりました。

その時買った本はこちらです。

 

Dzieciństwo w Pasiakach。「囚人服に身を包んだ少年時代」という意味のタイトルです。

著者のBogdan Bartnikowskiさんは子供の時にアウシュヴィッツの収容所に送られ、最終的には生還した男性。収容所での生活の記憶が細かくリアルに綴られています。

その後

突然の緊急事態に少し混乱してしまい、アウシュヴィッツをじっくり見る余裕を取り戻せそうになかったので、ひとまず落ち着こうとバスでクラクフに帰りホテルに一度戻りました。

鍵の再発行費用がいくらになるか心配でしたが、カードキーの設定を変えて新しいものを用意するだけなので20ズウォティ(600円くらい)で済みました。

ホテルのルームキーの紛失については従来の型を合わせて差し込む鍵の場合かなりの高額を支払うことになるらしく、やはり幸運だったと思います。

なおホテルのフロントのお姉さんは終始笑顔で、私のミスに関しても何か咎めるということはありませんでした。安心すると同時に少しポーランドらしくないなという感じもしました。


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