ポーランド語学習支援講座: レッスン13(格)

前回は名詞の性について勉強しました。今回は格というシステムについて勉強します。

格とは

(ポーランド語でprzypadki)というのは、名詞が文の中でどのような働きをしているかを示すものです。しかし、格の表し方は言語によって違います。

同じ意味の文章を日本語・英語・ポーランド語の3つの言語で比較してイメージをつかみましょう。

日本語の例

私 は 弟 に 本 を 渡す。

便宜上単語ごとにスペースを空けました。この文に存在する名詞は「私」「弟」「本」の3つです。

「私」は主語、「弟」は間接目的語、「本」は直接目的語ととらえることができますが、どうしてそれがわかるのでしょうか。

それは、それぞれの名詞の後に「は」「に」「を」といった格助詞が足されているからです。

「私」の後の「は」は主語を示し、「弟」の後の「に」は動作の受け手を、「本」の後の「を」は動作の対象を示します。

このように、日本語は助詞を使って格を表すのです。

英語の例

I give (my) brother a book.

この文は「私は弟に本を渡す」という日本語の例と同じ内容を表します。ではなぜ3つの名詞の関係がこのように決まるのでしょうか。

それは、そういう語順になっているからです。

Iは文の最初にあるので主語、動詞の後に連続する2つの名詞のうち動詞の直後にあるbrotherが間接目的語、その後に続いているa bookが直接目的語です。

このように、英語は語順で格を表すのです。。

ポーランド語の例

(Ja) daję (swojemu) bratu książkę.

jaは「私」、dajęは「(私が)渡す」、swojemuは「自分の」、bratuは「弟」、książkęは「本」です。jaは普通省略されるため、そしてswojemuは重要でないためカッコに入れました。

この文も「私は弟に本を渡す」という内容になります。ではなぜそうなるのでしょうか。

それは、それぞれの単語の語尾が格を示しているからです。

jaは「私」という単語jaの主格(主語を表す格)の形です。jaが書かれていなくても動詞のdajęという形を見れば主語がjaであることがわかります。

bratuは「弟」という単語bratの与格(間接目的語を表す格)の形です。

książkęは「本」という単語książkęの対格(直接目的語を表す格)の形です。

このように、ポーランド語では無変化名詞を除いて全ての名詞が形を変え、それによって格が示されるようになっています。これがポーランド語の基本的なシステムで、これに慣れることがポーランド語上達のカギとなります。

形はいくつもあり、名詞を使うたびに正しい形に変えないと間違いになってしまうので神経を使います。しかし、それを何度も繰り返しているうちに頭で考えなくても正しい形が出てくるようになるので、それを目標に頑張っていきましょう。

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