ポーランド語の曜日名
日曜日: niedziela
ポーランド語で曜日の名前はこのようになっています。それでは、それぞれ何を意味するのでしょうか。日本語では天体の名前が曜日名になっていますが、ポーランド語では事情が違います。
曜日名の語源
月曜日: poniedziałek
“po niedzieli”(日曜日の後)。
poは「~の後」を表す前置詞で、niedzielaの後の曜日なのでこのような名前がついています。
火曜日: wtorek
“wtóry dzień”(二番目の日)。
現代ポーランド語で「二番目」を表す形容詞は”drugi”ですが、”wtóry”という古い形容詞も二番目という意味を持っています。
実際ロシア語では”другой”(drugoj)が「二番目」ではなく「他の」を表す一方、”второй”(vtoroj)が「二番目の」を表します。
水曜日: środa
“środkowy dzień”(真ん中の日)
という意味。środek(中心), średni(平均の)などと同語根です。
木曜日: czwartek
“czwarty dzień”(四番目の日)。
“czwarty”が四番目を意味するので連想しやすいはずです。
金曜日: piątek
“piąty dzień”(五番目の日)。
これもpiątyが五番目を意味するので想像しやすいはずです。
土曜日: sobota
日曜日: niedziela
“nie działać”(何もしない)。
現代ポーランド語で”działać”を「する」と訳すのには無理があるので、昔の形と意味を示しましょう。
*ne(否定語) + *dělati(行う)
*dělatiはポーランド語では”działać”(行動する・作用する)という動詞になりましたが、ロシア語ではделать(する)という動詞になりました。これはポーランド語のrobić(する)に対応するのでよりイメージしやすいかもしれません。
ロシア語との曜日名の比較
ポーランド語学習者の中にはロシア語に通じている人も多いと思うので、ここで比較してみます。ロシア語に興味のない方はこの記事をここで閉じても構いません。
poniedziałek – понедельник(pon’ed’el’nik)
語幹は同じです。接尾辞が”-ek”か”-nik”かという違いしかありません。
「”poniedział-“と”pon’ed’el-“の部分も違うじゃないか!」という反論が予想されますが、歴史音韻論的に考えるとポーランド語的規則的発展とロシア語的規則的発展の結果このような違いになっています。
どちらも再構してしまえば*poneděl-なので、同じものとみなして無視しています。これ以降もそういう違いは無視します。
wtorek – вторник(vtornik)
これも接尾辞が”-ek”か”-nik”かの違いです。
środa – среда(sr’eda)
完全に一致しています。
czwartek – четверг(četv’erg)
形が大きく異なっていますが、同語源です。発展の仕方が例外的だったのでこれだけの違いが生まれました。
piątek – пятница(p’atnica)
語幹は一致していますが、接尾辞が”-ek”と”-nica”で異なっています。
sobota – суббота(subbota)
語源は同じですが、恐らくこの語をポーランド語とロシア語が別々に借用したためにずれが生じています。
niedziela – воскресенье(voskr’es’enje)
完全に違います。ロシア語の”воскресенье”は「復活」を表す単語で、これはポーランド語では”wskrzeszenie”(蘇ること)というあまり使われない単語にあたります。
ポーランド語の”niedziela”と語源的に対応するロシア語の”неделя”は「一週間」という意味で使われています。
まとめ