前回はポーランド語の名詞に性と数があることについて書きましたが、今回は名詞の形から性を見分ける方法を紹介します。
目次
ポーランド語の名詞と性
ポーランド語の名詞は男性名詞・女性名詞・中性名詞に分けられます。しかし、名詞ごとに暗記する必要はありません。フランス語やドイツ語なら暗記かもしれませんが、ポーランド語の場合はありがたいことに形を見ただけでだいたい見当がつくのです。
ポーランド語の名詞は格変化によって色々な形を持ちえますが、この記事では辞書に載っている形である単数主格形を原則として扱います。
名詞の性を見分けるポイントは語尾です。
性と語尾
男性名詞
男性名詞に一番多いパターンはゼロ語尾(つまり語尾がないこと。-øと表す)で、名詞が子音で終わっているタイプです。例えば、
dom (家)
student (男子学生)
śmieć (ゴミ)
mąż (夫)
などです。子音で終わっている名詞があったらほとんどの確率で男性名詞です。
女性名詞
女性名詞に一番多い語尾は-aです。例えば、
książka (本)
szkoła (学校)
kuchnia (キッチン)
studentka (女子学生)
などです。
中性名詞
中性名詞に一番多い語尾は-oです。例えば、
okno (窓)
dziecko (子ども)
niebo (空)
łóżko (ベッド)
などです。
これが大まかな傾向で、これを押さえておけば高い確率で名詞の性を見分けることができます。しかし、規則はこれだけではありません。ここからはそれぞれの性に出現し得る語尾を全て見ていきましょう。
男性名詞のその他の語尾
-a
女性名詞の代表的な語尾と被っていてややこしいですが、-aで終わる名詞の中には男性名詞も含まれています。これらは人を表す名詞です。
kolega (学校や職場の友達)
mężczyzna (男性)
Azjata (アジア人)
turysta (観光客)
-ę
この語尾を持つのは不規則変化の名詞”książę“(王子)のみです。
女性名詞のその他の語尾
-ø
これも男性名詞の語尾と被るのでややこしくなります。女性名詞で語尾がゼロの場合、最後にくる子音は軟子音または機能的軟子音です。
軟子音がくる例は
miłość (愛)
wieś (村)
pieśń (歌)
などで、機能的軟子音がくる例は
noc (夜)
twarz (顔)
sól (塩)
などです。
-i
珍しい語尾で、これがつくのは人を表す名詞です。
pani (女性の丁寧な呼び方)
wykładowczyni (大学の女性講師)
bogini (女神)
中性名詞のその他の語尾
-e
-oと並んで中性名詞の主な語尾です。eの前にくる子音はいつも軟子音または機能的軟子音です。
słońce (太陽)
morze (海)
szczęście (幸福)
sprzątanie (掃除)
-um
基本的にラテン語起源の語がこの語尾を持ちます。単数形では無変化になるのが特徴です。
liceum (高校)
muzeum (博物館)
akwarium (水族館)
-ę
特殊な語尾で、これを持っているのは小さな生き物を表す名詞群です。
niemowlę (赤ちゃん)
kurczę (雛鳥)
szczenię (仔犬)
最後に、ここまで登場した語尾をまとめた表を用意しました。
※中性名詞の欄に-umが抜けていました。ごめんなさい。