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ポーランド語学習支援講座: レッスン5(子音の発音・実践)

ポーランド語にどんな子音があるかは説明したので、今度はこれらの子音がどこで出てくるか、実際のポーランド語単語を例に解説していきます。

実際の単語における子音

発音のルール

実例を挙げる前に、いくつかのルールを説明しておかなければいけません。単語の読み方はカタカナで書きますが、このルールを知らないとなぜそのような読み方になるのかわからないからです。

ルール1: 語末子音の無声化

語末子音は単語の終わりにくる子音で、無声化は有声音が無声音に変わることです。無声子音と有声子音は前のレッスンでペアにして紹介したので、どれとどれが対応しているか忘れたら戻ってみてください。

ポーランド語では、語末の子音が無声音になるというルールがあります。

例えば、kodの発音は[kot]です。

ルール2: 子音の同化

母音を挟まずに子音が連続している場合、一番後ろにある子音が無声ならその子音のかたまりが全て無声に、有声なら全て有声になります。後ろにある音につられるからです。

最も多いのは2つの子音の連続ですが、その場合は1つ目の子音が2つ目の子音につられて無声になったり有声になったりするということです。

例えば、obcyの発音は[opcy]で、prośbaの発音は[proźba]です。

ルール3: wとrzの無声化

wもrzも有声子音ですが、これらは簡単に無声化してしまいます。ルール2に従って無声化しうるのは他の子音と一緒ですが、無声化する条件が他にもあります。

それは、無声子音の直後にwやrzがあるときで、ルール2とは逆方向の子音の同化が起こります。

例えば、twojeの発音は[tfoje]で、krzakの発音は[kszak]です。

ルール4: 軟子音のつづり

ポーランド語の32文字に含まれない軟子音(b’, k’など)は必ずiを使って表します。このiは母音を表す字ではなく、前の子音が軟子音であることを知らせる記号にすぎません。

ポーランド語ではアポストロフィを使わないので、これまで軟子音を表すのに使ったアポストロフィは単なる説明用の記号です。

軟子音+母音を綴るときは、子音字と母音字の間にiを書きます。母音がiの場合は書きません。

ポーランド語の32文字に含まれる軟子音字(ć, śなど)はテキストでも使われますが、やはり軟子音+母音の組み合わせを綴るときはiを使い、そのかわり上についている記号が消えます。

例えば、piesの読みは[p’es]、siłaの読みは[śiła]、ciałoの読みは[ćało]です。

それでは必要不可欠なルールを説明したので、実際の単語を例に説明していきます。単語の意味を覚える必要はありませんが、できるだけ基本単語を選びました。

硬子音

p / b

m

f / w

t / d

s / z

n

r

k / g

ch, h

軟子音

p’ / b’

m’

f’ / w’

ć / dź

ś / ź

ń

k’ / g’

ch’ / h’

r’

l’

歴史的軟子音

c / dz

cz / dż

sz / ż

rz

l

半母音

ł

j

 

次回は例外的な発音について触れていきます。