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ポーランド語学習支援講座: レッスン3(母音の発音)

文字の紹介が終わったので、発音の話に移ります。

このレッスンではポーランド語の発音の規則を説明しますが、単語も知らない段階で細かいところまで全部説明されると混乱してしまうはずなので母音編・子音編・発展編に分けることにしました。

音声学は私の好きな分野の一つですが、この講座は言語学に触れたことがない読者を想定して書いているのでできるだけ一般的な文章で書いています。

ポーランド語の発音は難しい?

難しいと思います。音の種類が多いだけでなく、日本人が区別できない音のペアがたくさんあるので慣れが必要です。

また、母音に比べて子音の割合が多いため、今まで口に出したことのないような子音の連続が出てきます。

母音の発音

基礎的な母音

ポーランド語の基礎的な母音は6つです。

a, e, i, u(同じ音でó), o, y

これを見て安易に「日本語と5つもかぶってるじゃん!」と思い込んでしまうと、いつまで経っても日本人訛りが治らなくなります。気を付けなければいけません。

※もちろん日本語の発音にも地域差があるので、それぞれの母音の難易度は変わり得ます。

では見覚えのあるa, e, i, u, oから説明していきます。注意が必要なのはuとoです。

aは日本語の「あ」とほぼ同じと考えて構いません。楽な状態で出せる音です。

eは日本語の「え」とほぼ同じですが、舌が若干下がります。あまり意識しなくても大丈夫です。

iは日本語の「い」とほぼ同じです。口が横に開きます。

uは日本語の「う」とかなり違います。日本語の「う」はポーランド語のuを発音するときは唇を丸めることを意識しなければいけません。しかし力を入れすぎてしまうとまた違う音になってしまうので気を付けましょう。óはuと同じ音です。

oは日本語の「お」よりも舌が下がります。日本語の「お」は唇を丸めて発音しますが、ポーランド語のoは必ずしもそうではありません。微妙な力加減が要求される音ですが、慣れれば簡単です。

私がポーランド語のネイティブに指摘されて直したのはやはりoとuです。特にuが難しく、今でも油断すると詰めが甘くなってしまいます。

次にyという母音について説明しましょう。

yは”u”と”i”の中間のような音です。文章でどう表現しようか迷いましたが、まずは”u”と”i”を連続して発音してみてください。”u”から”i”への移行はあまり緊張せずに行います。今度は”u”から”i”に移行する途中で止めてみてください。そのあたりにある音がyです。

あまりなじみのない音ですが、すぐに習得できるはずです。”u”や”o”のように似て非なる母音を習得するよりも簡単なのかも知れません。

基礎的な母音の実例

a

e

i

u

ó

o

y

鼻母音

鼻母音は鼻に息を通して発音する母音で、フランス語に現れることで有名です。実は日本語でも無意識のうちに鼻母音が発音されていて、「三」「本」などの単語が鼻母音を含みます。

ポーランド語の鼻母音は2種類です。

ą, ę

カタカナで書くとそれぞれ「オン」「エン」となります。注意しなければいけないのは、ąがaの鼻母音「アン」ではなくoの鼻母音「オン」であるという点です。

鼻母音の実例

ą

ę

 

これで母音の紹介は終わりです。